サムスン電子は現地時間11月19日夜に、256Gバイトのソリッドステートドライブ(SSD)の量産を開始したことを明らかにした。256Gバイトというサイズは、現在、ノートPC向けでは最大規模の記憶容量を持つSSDとなる。
サムスン電子は、すでにノートPC向けに、64Gバイトおよび128GバイトのSSDを提供中である。
新たな256Gバイトのドライブは、同社製の64Gバイトおよび128GバイトのSSDと比較して、パフォーマンスレートも2倍に向上し、より高速化が実現していることが明らかにされている。
256Gバイトのドライブは、連続読み込み速度は200Mbps、連続書き込み速度は160Mbpsとなっている。同社は「これによって、読み込みと書き込み実行時のパフォーマンス差は、わずか10%まで著しく縮まることになる。一方、他のSSDでは、読み込みと書き込みの速度差は、20〜70%も存在することがある」と述べている。
とはいえ、ランダムな書き込み時のパフォーマンスに関しては、サムスン電子は一切言及していない。一般的にSSDは、(特にデータの読み込み速度に関しては)HDDよりも高速であるものの、ランダムなデータ書き込み時には、SSDはHDDよりも劣ってしまう。ランダムな書き込みは、SSDのアキレス腱であると通常考えられている。
サムスン電子の半導体部門でメモリマーケティングのバイスプレジデントを務めるJim Elliott氏は、ノートPCに新たな256GバイトのSSDを搭載するならば、「まるで毎分1万5000回転のドライブを、サイズ、騒音、消費電力、発熱分野の欠点なしに搭載するかのようである」と語っている。
256GバイトのSSDは、大容量のマルチメディアファイルを、読み込むと同時に保存する時のデータ転送速度が向上している。同社は「25Gバイトの高精細(HD)映画の読み込み保存には、毎分7200回転のHDDならば約70分を要するものの、この256GバイトのSSDならば、わずか21分で完了できるという、非常に優れたアドバンテージが存在する」と説明している。
同ドライブの高パフォーマンスは、チップコントローラ、NANDフラッシュメモリ、サムスン電子特製のドライブファームウェアから構成される、新たなシングルプラットフォーム設計に拠るところが大きい。「このシングルプラットフォームは、サムスン電子の40ナノメートルクラスのNANDフラッシュメモリに、手軽に適応させられる設計である」と、同社は語っている。
(同ドライブの)消費電力は1.1ワットで、比較対象となるHDDの消費電力は、2ワット以上となっている。マルチレベルセル(MLC)技術を採用した、この2.5インチの256GバイトのSSDは、128GバイトのSSDと、ほぼ重量では同じ81gとなっており、厚さはまったく同じ9.5mmとなっている。
また、サムスン電子の256GバイトのSSDには、一部の企業ユーザーにとっては重要な機能となる、フルディスクの暗号化を実現するプロプライエタリな暗号化プログラムも、オプションでセットできるようになっている。
なお、同ドライブの販売価格は、現時点では発表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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