UPDATE One Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトの創設者兼会長であるNick Negroponte氏は、IntelがOLPC離脱を決定した翌日の米国時間1月4日、批判の矛先をIntel向けた。
低価格のテクノロジを発展途上国の子供たちに提供するというOLPCの目的は、事業を展開しようとするIntelの目的と衝突するようだ。両者はアプローチの違いをひとまず脇に置いておくということで2007年7月に合意していたが、実際には両社が決して協力関係を結んでいなかったことはきわめて明らかだ。
Negroponte氏はOLPCが4日に配布した声明で「OLPCでは、IntelがOLPCに参加したときに約束した内容をまったく果たさなかったことに落胆している。われわれは前向きで協力的な関係を望んでいたが、それは決して実現することはなかった」と述べている。
一方、Intelは3日にOLPC離脱のいきさつを説明するにあたって「根本的な違い」があると述べている。これは音楽グループの解散時によく理由としてあげられる「音楽の創造性に対する考え方の違い」に該当する典型的な事例のように思われる。
きわめて単純にいえば、Negroponte氏はOLPCが「XO」ノートPCを販売しようとしている地域でIntelが「Classmate」ノートPCを販売するのを中止してもらいたかったのだ。「Intelは、すでにOLPCと提携を結ぶことを決定している発展途上国(ウルグアイとペルー)、ノートPCソリューションを選択しようとしている最中の国々(ブラジルとナイジェリア)、そしてさらに小規模かつ遠隔地の地域(モンゴル)において相変わらずXOノートPCの信用を落としめていた」とNegroponte氏は述べている。
Intelは何らためらうことなくClassmate PCを発展途上世界で可能性のある多くの製品の1つとして販売する意欲を見せており、それがNegroponte氏の気に障ったようだ。「過去に述べてきたように、OLPCでは子供たちを使命としてとらえている。一方、Intelは子供たちを市場としてとらえている」(Negroponte氏)
しかしNegroponte氏は、Intel版のXOノートPCは性能自体もそれほど優れていないと述べている。「『Intel inside』版XOノートPCとして同社が提供できる最良の製品でさえ価格は高価で消費電力も多い。これはOLPCが規定している要求とビジョンの方向性にまさに逆行するものだ」とNegroponte氏は指摘する。
Intelの関係者はXOノートPCに搭載予定のCPUのコストや消費電力については一切コメントを控えた。現在、XOにはIntelのライバルであるAdvanced Micro Devices(AMD)製の「AMD Geode」プロセッサが採用されている。
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