One Laptop per Child Foundation(OLPC)のノートPC「XO」が、度重なる延期を経て、ついに量産体制に入った。台湾の廣達電腦(クオンタ・コンピュータ)は現地時間11月6日、上海北西に2時間いったところにある常熟に新設した製造工場で、XOの生産を開始した。このPCは貧困国の子どもを対象にしたノートPCで、長らく待たれていた。
量産開始により、開発途上国に住む子どもたちは今後、オープンソースの頑丈なノートPCを手にすることが可能になるだろう。OLPCはすでに、ウルグアイとモンゴルの子どもたちに向けたXOを受注したことを発表した。「Give 1 Get 1」プログラムに参加する米国およびカナダ在住者の手元に同製品が届くのは12月に入ってからになる見込みとなっている。これは、オンラインでXOが販売されるごとに、開発途上国の子どもにXOを1台寄付するというプログラム。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授で、非営利団体OLPCの創設者であり会長のNicholas Negroponte氏は声明で、「One Laptop per Childプロジェクトにとって、今日は、とりわけ記念すべき日だ。多くの否定的な意見がある中、クオンタをはじめとする素晴らしい協力者たちのおかげで、われわれは世界で最も先端的かつ環境に優しいノートPCを開発し、生産を開始した。これは、子どもたちに学習意欲を吹き込むことを目的としている」と述べた。
クオンタはこのところ、生産能力を増強しており、XOの生産を順次増やしていくという。
XOの目的と可能性を歓迎する声は多いが、普及への道は険しい。生産の延期により競合する低価格PCに顧客獲得のための時間を与えてしまったことに加え、当初想定されていた100ドルという価格が上昇し、200ドル近くになっているためだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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