NTTドコモは8月30日、Windows Mobile 6を搭載したスマートフォン2機種を発表した。富士通製の「F1100」とHTC製の「HT1100」で、どちらも2.6インチの液晶画面を搭載したスライド式ケータイだ。テンキーを採用しており、携帯電話に近いキー操作が可能。待ち受けのメニュー画面も携帯電話に近いようなカスタマイズがされている。
注目したいのは、法人向けに注力してきたドコモが、ハイエンドなコンシューマユーザーをターゲットにしたという端末「HT1100」だ。「TouchFLO」と呼ばれる新ユーザーインターフェースを搭載。タッチパネルのディスプレイに指をのせ、指を上下にスライドさせることによりスタイラスを使わずにメニューの切り替えや呼び出しが可能だ。写真の閲覧では、指で画像を拡大したり回転させたりもできる。ブラウザやメール画面なども同様にスクロール操作が可能だ。
時刻や天気などを表示できる待ち受け画面「HTC Home」を搭載しており、一目見ただけではWindows Mobile端末とはわからないかもしれない。また、YouTube Mobileなどの動画コンテンツを再生できるストリーミングメディアに対応。海外でも利用できるFMラジオを搭載し、WORLD WING(3G+GSM+GPRS)に対応する。
主に法人ユーザーをターゲットとした「F1100」は、無線LANを搭載し、IEEE802.11a/b/gの3規格に対応するほか、Bluetoothも搭載。企業内IP内線ソリューション「PASSAGE DUPLE」と「ビジネスmoperaIPセントレックス」に対応予定だ。また、富士通が得意とする指紋認証での端末ロック解除機能やウェブページのアクセスを管理できるパスワードマネージャ機能、micro SD内データへの暗号化など、セキュリティ機能を強化したものとなっている。なお、こちらは、タッチパネルは搭載されていないほか、WORLD WINGには対応していない。
1100シリーズのキーワードと特徴は、下記の4つ。
(1)Customize--Windows Mobile 6の搭載、(2)Perfomance--HSDPA 最大3.6M対応、(3)Comfortable--使いやすいユーザーインターフェースと「Biz・ホーダイ対応」、(4)Security--ウイルス対策 セキュリティスキャン機能搭載
スマートフォンのニーズは年々高まっているが、同社の調査で現状のスマートフォンは大きい、重い、かさばる、ケータイのように使えないといった不満点が多く見られたという。「日本では(ケータイが)厚いと相手にされない」(NTTドコモ 執行役員 プロダクト&サービス本部 プロダクト部長 永田清人氏)として、今回は高機能ながらも本体の厚みは16.5(HT1100)〜16.9mm(F1100)。HSDPA対応の最新モデルN904iよりも薄い仕上がりとなっている。
これまでNTTドコモでは、法人向けにWindows Mobileを搭載した「hTc Z」や「BlackBerry8707h」といったスマートフォンを投入してきた。一般の販売店では販売せず、通信販売やドコモ法人営業部門による販売など完全に法人向けのものだった。今回は、ドコモショップで販売することを明らかにしており、サポート体制の問題から、どこまで販売流通を広げるかは未定だ。
発売時期はいずれも2007年第4四半期としている。価格は90xシリーズ前後の価格となる見込み。
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