ニューヨーク市で、ミッドタウン5番街にあるApple Storeへ行けば、毎日24時間いつでも展示品の「Mac」でウェブが閲覧できる。しかし、このほど新たにAppleが制限を加えたため、News Corporation傘下のMySpace.comにはもはやアクセスできない。
米国時間5月25日の朝、立方体の形をした5番街のApple Storeで、黒い「MacBook」からインターネットに接続してみると、大半のウェブサイトは最大速度で読み込めた。ところが、MySpace.comに接続を試みると、ブラウザの「Safari」は急に読み込み速度が遅くなり、ついに読み込むことができなかった。そういえば24日の夜に、Appleに関する噂話のコミュニティー「ThinkSecret」に、Appleは人気の高いソーシャルネットワークサービス(SNS)のサイトをブロックして、Apple StoreのMacから閲覧できないようにしている、という投稿があったことを思い出した。MySpaceのユーザーが、あまりに長時間マシンを占領してしまうからだという。
Appleは25日、声明を発表してこれを認めた。「ほぼ200万人の人々が毎週Apple Storeを訪問してくれている。われわれは、皆さんにMacを試してみる機会を提供したいので、もう当社の店舗ではMySpaceへのアクセスを提供しないことにした」と、声明は述べている。Appleによると、これまでにブロックを決行したのはMySpace.comに対してだけだという。
MySpace.comに問い合わせたが、コメントを得られなかった。
5番街店ではない別のApple Storeで働く店員の1人も、 CNET Newsの取材に対して、このことが前から問題になっていたと認めた。この店員はメールで次のように回答した。「MySpaceはAppleの店舗にとって大きな問題だ。Apple Storeに入ってきて、(Macの内蔵ウェブカメラを使って)『Photo Booth』で自分の写真を撮り、それをMySpaceのアカウントに貼り付ける、といったふうに、何時間もマシンを占領する人がいる。Appleの最重要店舗や非常に多くのお客様が訪れる店では、このことが特に問題になる。しばらくの間、この問題にどう対処するかについて、正式な通達はなかった」
Appleにとっては、MySpaceユーザーの長時間利用がビジネスの大きな妨げになっていた。そして、たぶんこれまでのApple製品の中で最も宣伝に力の入っている「iPhone」のリリースが迫っていることもあって、Apple Storeに足を運ぶ人の数は激増する可能性がある。
取材に応えてくれた店員は続けて、店頭でのインターネット閲覧を制限することは、Appleの店舗にとってまったく新しい方針というわけではないと話す。サンフランシスコのApple Storeでは、展示するマシンのうち数台について、Appleがあらかじめブックマークしたサイトにしかアクセスできないようにしたことがあるという。こうして一部のマシンがデモンストレーション用として機能するようにし、他のマシンでは制限なしにインターネット閲覧が可能な状態にしていた。
Appleの公式発表では、現在のところMySpace.comがブロックされている唯一のサイトだが、先の店員からのメールによると、アダルトコンテンツをブロックするため、比較的緩めのフィルタを独自にかけている店舗もあるという。「MySpaceにはR指定よりきわどい写真も掲載されている」ため、MySpace.comをブロックすればこの対策を緩和できるかもしれない、とこの店員は付け加えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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