大日本印刷(DNP)は3月29日、電光表示板向けの新しい有機ELディスプレイを発表した。山形県産業技術振興機構の有機エレクトニクス研究所(RIOE)と共同開発したもの。高輝度なうえ、寿命が従来に比べ約10倍以上あるという。
DNPとRIOEは、有機EL素子の構成材料を見直し、特性が不安定になる境界面数を減らすことで、長寿命化を実現した。さらに、RIOEが開発した有機EL発光層を直列式に複数積層する「マルチフォトン」構造を採用し、高輝度化を図った。
これにより、発光効率の劣化が少なく、少ない電流でも高輝度発光が可能となり、1000カンデラで10万時間以上の寿命を達成できた。高輝度な表示が可能であるため、屋外や明るい所でも視認性に優れるという。
RIOEのマルチフォトン構造ディスプレイは、高輝度な文字の可変表示が行える。また、電光掲示板に多く使用されているLEDディスプレイが点状に発光するのに対し、有機ELディスプレイは面状に発光するので、高精細化が可能である。そのため、DNPは「電車/バスの車内や、飲食店の店頭などに設置されている、中型の電光表示板として使用できる」とみている。
DNPでは、2008年度中にサンプル出荷を開始し、2010年度に約100億円の売り上げを見込む。
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