富士通は、最新の映像圧縮技術として注目されているH.264方式に、リアルタイムでエンコードする新規の映像処理LSIを開発、来年3月よりサンプル出荷を開始する。
H.264は、HD映像などハイクオリティ映像の高画質を維持したまま高圧縮を実現するという最新の映像圧縮技術。放送、再生ソフト、録画とあらゆる映像ソースが急速にHD化する現在において、その圧縮性能はスタンダードになりつつある。
しかし、圧縮するには従来の10倍以上のデータ処理が必要となり、リアルタイム処理を行うには、高速なLSIが必要とされていた。
富士通が開発した新LSI「MB86H50」は、HDクオリティの映像、音声をリアルタイムに圧縮、復元できる1チップのLSI。256Mバイトのメモリを2個内蔵することで、約1.5cmという小型化と低消費電力を実現している。
さらに視聴の際、特に画質劣化が気になる顔やゆっくりした動作などを常時追跡し、その部分の圧縮率は押さえ、それ以外の部分を圧縮する、独自の圧縮、高画質技術を搭載。これにより、MPEG-2に比べ、同等の画質でデータサイズが半分以下まで抑えることに成功している。
富士通では、来年3月よりサンプル出荷を開始。今後はデジタルレコーダーやホームネットワーク機器などに搭載されていくとしている。
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