JR東日本とNTTドコモは、SuicaやiDといった複数の非接触ICカードの決済を、1台の端末で利用するための共通インフラの管理・運営する事業組合を10月に設立すると発表した。昨年7月に(参照記事)に構想を発表していた。JR東日本とNTTドコモがそれぞれ2億円ずつ出資して設立し、2007年1月より共通インフラの運用を開始する。
この共通インフラは、JRとNTTドコモのほか、JCB、ビットワレットが利用することに合意しており、2007年1月より「Suica」「iD」「QuickPay」「Edy」の4つの決済サービスを1台のリーダ/ライタ端末で利用できる。ららぽーとやイオングループで導入が予定(参照記事)されているという。これまで、決済端末は各サービスごとに必要だったため、加盟店は端末設置スペースや端末導入コストの問題があり、利用者は使えるサービスが限られていた。
端末は、1台あたり10万円を切る価格としており、「導入コストが大幅に安くなるのは間違いない」(NTTドコモ 取締役常務執行役員プロダクト&サービス本部長の辻村清行氏)と、普及の加速を期待する。
ビットワレット 取締役執行役員専務マーケティング本部長 奥出 勉氏は、「われわれは競争相手であるとともに、これまで成功させたことのない電子マネーを普及させたいという共通の目的を持った同志」と話す。
同日、NECがSuicaやEdyなど6つの決済サービスに対応したリーダ/ライタ端末を発表している。これについて、「われわれは、決済事業者4社が同意していることが強み。多くの店舗から早く共通のものをつくって欲しいという要望があった。今後、他の決済事業者が参加する可能性は十分にある」と(JR東日本 常務取締役IT事業本部長 小縣方樹氏)とコメントした。
電子マネーの利用者数は、2004年3月にJR東日本が開始した「Suica」を皮切りに、急速に増加している。また、NTTドコモやau、ソフトバンク(ボーダフォン)の「おサイフケータイ」端末も好調で、ドコモのおサイフケータイ契約者数は約1550万契約(他キャリアを除く)。NTTドコモによれば、非接触ICカード(EdyとSuica)の合計は3460万枚という。
現在のおサイフケータイ対応端末は、「モバイルSuica」「iD」「Edy」「QuickPay」など複数のサービスに対応している。サービスは、必要に応じてチャージするプリペイド型、チャージ不要なポストペイ型などぞれぞれ特徴が異なっており、対応店舗が増えれば駅での少額決済とレストランなどでの高額決済など、利用シーンに応じてサービスの使い分けがしやすくなりそうだ。
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