シリコンバレーに拠点を置く新興企業のTesla Motorsが、2006年夏に新しい電気自動車の発表を予定している。同社によると、この電気自動車は、性能面でPorscheやFerrariにも引けを取らず、この車の開発にはGoogleやeBayの創業者らも投資しているという。
Tesla Motorsによると、Tesla Roadsterと呼ばれるこの電気自動車は、高性能スポーツカーと同等の加速、停止、ハンドル操作が可能だという。実際、その車は停止状態からわずか4秒間で時速60マイルまで加速できる、と同社は主張する。
このTesla Roadsterと他の高性能スポーツカーとの大きな違いは、Tesla Roadsterの原動力が100%電気であるという点だ。同車は、壁のコンセントにプラグを差し込んで充電する仕組みになっており、ハイブリッドではない。1回の充電で走行可能な距離はおよそ250マイルだ。
Tesla Motorsの最高経営責任者(CEO)であるMartin Eberhard氏は、「われわれは真のスポーツカーと呼べるスポーツカーを開発した」と述べ、さらに「(同車は)まさに世界初であり、基本的にはドライバーのための車だ」と語った。
同車は、7月12日にカリフォルニア州サンタモニカで一般公開される予定だ。会場では、Tesla Motors初の製品となる新車がずらりと並べられ、即売会も開催される。
2003年に設立されたTesla Motorsの出資者には著名人や有名企業も含まれている。例としては、Googleの共同創設者のSergey Brin氏とLarry Page氏、PayPalの共同創設者のElon Musk氏、eBayの共同創業者のJeff Skoll氏、さらにベンチャー投資会社のVantagePoint Venture PartnersやDraper Fisher Jurvetsonなどが挙げられる。Teslaがこれまでに集めたベンチャー投資の総額は4000万ドルに上る。
過去2年間に、代替エネルギー市場はベンチャー投資家らにとって魅力ある市場の1つになった。Brin、Pageの両氏は、太陽電池技術を開発する米Nanosolarの出資者でもある。またDraper Fisher Jurvetsonもいくつかのクリーン技術に投資している。ハイブリッド車や家庭用ソーラーシステムの売り上げは増加傾向にあり、それらがステータスシンボルになっている地域も多い。
Tesla Roadsterの価格が決して安くないことは、Eberhard氏も認めている。しかし、この技術が一度確立されれば、一般のドライバーにも手の届く比較的安価な自動車の生産も可能になるだろう。
Tesla Motorsが他の自動車メーカーに対し、同技術の知的財産権のライセンス供与を行う可能性は低い。ライセンス供与しないのが、自動車業界では通例だからだ。
「Porscheが最後に他社製エンジンのライセンスを受けたのはいつですか。そんな事実はありません」(Eberhard 氏)
Tesla Motorsの社名は、循環磁界を発見したセルビア系米国人のNikola Tesla氏にちなんで付けられた。Tesla氏は、生涯におよそ700件の特許を取得した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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