専門家によると、姿勢性症候群はしばしば、肩こりや手首および手の痛みなどの反復性疲労障害(Repetitive Stress Injuries:RSI)と相まって起こるが、これは一般にはよく知られていないという。理学療法士も、あまりに多くの人々が姿勢に気を配っていないと述べている。
「デスクでもできる手首のストレッチの必要性を認識している人は割に多い。だが、不自然な角度に曲げられた首や丸まった背中にまで注意を払うケースは少ない」と、ニューヨーク州アルバニーの理学療法士Doreen Frank氏は話す。同氏の患者には、オフィスワーカーが多いそうだ。
こうした不注意の結果、「コンピュータの前で不適切な姿勢をとり続けることになり、頸椎を損傷する人が後を絶たない」と、Frank氏は話している。
Frank氏は25年にわたり治療に携わってきたが、ここ5年間では、手根管症候群より姿勢性症候群に悩む患者が増えたという。定期的に運動をして体型を保っている人でも、長時間不自然な姿勢で座り続ければ、こうした症状が発症する可能性がある。特に、出勤しては前屈みになって仕事をし、車で家に帰る際には首を前傾させて運転し、子供がサッカーをして遊んでいるのを見守る場合も首を前に傾けてじっと座り続けるという生活によって、親たちが同障害に悩まされる例が増えていると、Frank氏は説明した。
こうした患者がどれほど存在するのか、その数を特定することは難しいが、医師や理学療法士の話では、サンフランシスコ湾岸やニューヨークといったハイテク企業の多い地域に姿勢性症候群を患う人が多いそうだ。
ニューヨークで理学療法士として働くDiane Mickle氏は、「姿勢性症候群の患者は確実に増加している。ここへきて、ようやくその因果関係が明らかになり始めた」と述べた。
だが、姿勢性症候群の偏在化を認めない理学療法士も存在する。アルバニー近くで開業しているRobert Fleming氏は、コンピュータ操作に起因するRSIは、一般的には首、腰背部、腕の障害を指すと話している。
いずれにしろ多数の理学療法士が、啓発と障害予防が問題を解決する手段だと口をそろえている。学生時代にやかましく注意された正しい姿勢を思いだし、できれば20分ごとにコンピュータの前から離れて、短い休憩を取るのがよい。
長時間集中して作業することが多く、ストレッチをしたりコンピュータから離れたりするのをつい怠ってしまう場合は、「RSIGuard」などのソフトウェアを利用して、忘れずに休憩を取るようにしたい。また、My Daily Yogaといったサイトは、普段行うストレッチを学ぶことができる。これも身体機能の損傷予防に役立つだろう。
「ほんの短い休憩でもかまわない。同じ姿勢を取り続ける習慣をなくすことが重要なのだ」(Frank氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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