ソフトウェアデベロッパーのBrendon McCaulleyは月に数回、一族からコンピュータの神様に祭り上げられる。
本業である大手通信会社の仕事がないときも、親戚がコンピュータのトラブルを解決して欲しいと頼み込んでくる。今年はウイルスやスパイウェアの問題が増加したためこのような依頼も増え、McCaulleyもいら立ち始めている。テキサス州フリスコ在住の同氏は、「仕事でコンピュータをいじってばかりなのに、夜帰宅してからも親戚のコンピュータトラブルに対応しなくてはならない」と語っている。
McCaulleyのほかにも、ウイルス感染などのトラブルで家族や友人から助けを求められるIT技術者は多い。実際、コンピュータマニア向けの掲示板であるSlashdotには先ごろ、このような話題に多数のコメントが寄せられている。
同サイトには、「おばから『コンピュータがおかしいの、それからスキャナも・・・』と言われてうんざりしている。まず、(ビリヤードとか)好きなことをする時間がなくなるのが、いやだ。それに、おばの頼みだという義務感もいやだ」という書き込みがあった。
コンピュータドクターを演じて、居心地の悪い思いをした人もいるようだ。Paulと名乗る投稿者からは「娘の日曜学校の先生が抱えていたウェブサイトアクセスに関する問題を解決しようとしていたら、彼女が仕事に出かけている間にアダルトサイトへのアクセスがブロックされていたことを示す大量のログを発見してしまった」とのコメントが寄せられている。その近くでは彼女の10代の息子が宿題をしていた。
「私が帰ったあと、親子で話し合ったと思うが、気まずいことこの上ない」(Paul)
IT技術者がこのような状況に置かれてしまう理由の1つは、個人向け技術製品を販売する企業がマニュアルやウェブサイトを使った問題解決を消費者に押しつける一方で、顧客がそれをいやがっているためだ。Service and Support Professionals Association(SSPA)とコンサルティング会社のTech Strategy Partnersが先ごろ共同で実施した調査によると、消費者向け技術製品の購入者の半分は、「セルフサービス」ツールをうまく使えないと訴えているという。
同時に、大半の顧客は有償サポートに二の足を踏む。SSPAの会長兼CEO(最高経営責任者)J.B. Woodは、「今日の消費者向け技術製品購入者の大半は、技術サポートに余分な費用をかけたがらない。だがその一方で、品質の高い手ごろな価格の製品を要求する。これは、市場に参入している企業にとって非常に大きな課題となっている」と語っている。
無償で奉仕してくれる知識の豊富な親戚がいるのに自分の財布のひもをゆるめる人はいない。Slashdotには、コンピュータを組み立てて親戚や友人に販売する副業はあきらめた、とのコメントもあった。「いつまでもタダで技術サポートを提供するのはうんざりだ。感謝祭の休暇で実家に戻っても、週末の約10時間を友人や家族のコンピュータの修理に費やす」という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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