ロサンゼルス発--任天堂は米国時間9日、当地で開かれる「Electronic Entertainment Expo(E3)」に合わせて華やかな記者発表会を行ったが、しかしその内容は新鮮味に欠けるものだった。
任天堂はアカデミー賞の授賞式にも使われるKodak Theaterでこの記者会見を行った。参加者の多くは同社が次世代ゲーム機「Wii」の具体的な価格と発売日に関する情報を明らかにすると期待していた。
ソニーが前日(8日)の晩に行った記者会見のなかで、「PlayStation 3(PS3)」の北米での発売日と価格を初めて明らかにしていたことから、任天堂への期待も大きく高まっていた。PS3は、北米では11月17日に店頭に並ぶ予定で、60Gバイトのハードディスクを搭載する599ドルのモデルと、20Gバイトのハードディスクを搭載する499ドルモデルの2種類が発売される。
だが、任天堂の記者発表会では、初めて行われたWii用コントローラの詳細なデモが最大の見所となった。このコントローラにはモーションセンサーが搭載されており、プレーヤーの手の動きに合わせて画面上の動きが変化するようになっている。そのため、たとえばテニスゲームでは、コントローラを頭上から下へふり下げれば、サーブを打ったことになる。同様に、格闘ゲームでは手の動きで刀を振ったり、矢を射ることができる。
任天堂米国法人のReggie Fils-Aime氏(営業・マーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデント)は、CNET News.comに対して、同社がWiiの価格と発売日を明らかにしなかった(同製品の発売が2006年第4四半期になると述べただけだった)理由について、今週E3で公開するWii用の27本のゲームタイトルやコントローラシステムから関心を奪いたくなかったと説明した。
「(E3では)ゲームエクスペリエンスをアピールしたいと考えている。価格や発売日に関する情報を公表すれば、このゲームエクスペリエンスに集中できなくなる」(Fils-Aime氏)
任天堂は「Wii」という同ゲーム機の新しい名前があまり歓迎されていないことにも触れた(同ゲーム機はそれまで「Revolution」と呼ばれていた)。
「名前を公表した直後から多くのメッセージをいただき感謝している。励ましにも批判にも感謝している」とFils-Aime氏はプレゼンテーションのなかで語った。
しかし同氏はCNET News.comに対し、たいていの場合、新しい名前は慣れるまで時間がかかるものだが、この名前(「ウイー」と読む)は一体感と親しみやすさをイメージさせ、かなり適切だというのが任天堂の考えだ、と語った。
任天堂はWiiの価格について語ろうとしないが、いずれにせよ、その価格がソニーのPS3やMicrosoftのXbox 360よりもかなり低く抑えられることは明らかなようだ。これは、同社が熱心なゲームファンだけでなく、まだゲームを体験したことがない一般消費者にも狙いを定めているせいもある。後者は、あまりゲームをしたことがなくても楽しめる、シンプルで面白いゲームを求めている。
任天堂はまた、同社がまもなく「ニンテンドーDS Lite(DS Lite)」を米国でも発売することを明らかにした。なお、同社が2004年後半に発売した「ニンテンドーDS」のほうは、累計の販売台数が1600万台に達したという。
また、同社は今回のE3でWii用のゲームソフトを27タイトル展示するが、このうちの何タイトルが2006年第4四半期のWii発売時にリリースされるかについては明らかにしなかった。今回展示されるのは、Electronic Arts(EA)、Activision、Ubisoft、THQ、スクウェア・エニックスなどのタイトルで、EAの「Madden NFL」やスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」などの強力なゲームソフトもこのなかに含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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