任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」が発売から1年弱で出荷台数544万台を突破した。12月26日、任天堂が開催したニンテンドーDSの新作ソフト発表会にて代表取締役社長の岩田聡氏が発表した。
任天堂代表取締役社長の岩田聡氏。想定以上のソフトの売れ行きで商品不足を起こしたことについてお詫びする場面もあった |
岩田氏はまずニンテンドーDS発売の理由について、ヘビーユーザー以外の「ゲーム離れ」が進んでいることから、年齢や性別を問わずに誰もが利用できるゲーム機を開発するというコンセプトがあったことを語った。ニンテンドーDSには2画面のモニタやタッチスクリーン、マイクなどが搭載されているが、これはコントローラーを両手で持って操作するより親しみやすいインターフェースとしてゲーム熟練者だけでなく誰もが同じように扱えるよう設計したものだと語った。
ニンテンドーDSの発売は2004年12月2日だが、2005年12月22日時点で国内向け累計出荷台数が544万台を突破したという。さらに速報ベースなので誤差があるとしながらも、累計普及台数が実売で500万台を突破したと語った。これは日本のゲームプラットフォームで最速となるという。これまでは2001年に任天堂が発売したゲームボーイアドバンスが14カ月弱、2000年にソニー・コンピュータエンタテインメントが発売したプレイステーション2が17カ月でそれぞれ500万台を販売している。
国内最速での販売台数500万台突破の理由について岩田氏は「Touch! Generation」というシリーズのゲームソフトが大きく影響していると語った。Touch! Generationシリーズは、年齢や性別、ゲーム経験を問わずに楽しめることを狙った商品群で、2005年4月から5月にかけて商品が投入された。「nintendogs」や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」といったソフトがTouch! Generationシリーズとして販売されたが、これらのソフトが普段ゲームビジネスでターゲットとならなかった女性やシニアを含む「大人層」の市場を拡大したという。
「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」のCMに出演する松嶋菜々子さんも登場。同ソフトで判定した脳年齢は52歳だった |
また、Touch! Generationシリーズのソフトが売れ方の推移に特徴があると語った。現在、ゲーム製品の商品寿命は非常に短くなっており、プレイステーション2のソフトでは通常、発売1週目の販売数を100%とすると、2週間目には20%程度になり、3週目ではさらにその半分になるという。しかし、Touch!! Generationsのソフトについては、nintendogsが発売10週目以降も発売1週目同様に20%前後で順調に売れ続けたほか、脳を鍛える大人のDSトレーニングについては発売14週目に過去最大の販売数を叩き出したほか、敬老の日を挟んだ18、19週目にも1週目を越える販売数となり、これまでゲームビジネスになかった「敬老の日需要」をも作り出した。現在は年末商戦で3回目の需要の波が起きているという。
nintendogsは日本国内だけで108万本出荷し、欧米でもそれぞれ100万本を出荷している。脳を鍛える大人のDSトレーニングは138万本、やわらかあたま塾は108万本、また、Touch! Genetrationシリーズではないが11月23日に発売した「おいでよ どうぶつの森」も現在127万本の出荷で、ニンテンドーDSのソフトの中では最速の100万本突破となっている。1年間で4本のミリオンセラーソフトを出したほか、他にもミリオンセラー間近のソフトが複数あることから、岩田氏は「まさにミリオンセラー連発といった状況だ」と語った。
任天堂では今後もTouch! Genetrationシリーズのソフトを提供していく。2005年12月29日には脳を鍛える大人のDSトレーニングの第2弾「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」を2800円で発売する。また、2006年1月26日にはプラトが発売し、シリーズ累計18万本を販売している英語学習用PCソフト「英語漬け」をDSソフトとして3800円で発売する。2006年3月には、情報センター出版局から発売されている旅行用の会話ガイドブック「旅の指さし会話帳」をソフト化した「旅の指さし会話帳DS」をタイ語、中国語、韓国語、英語、ドイツ語の5カ国語バージョンで同時発売する。価格はそれぞれ2800円になる予定だ。
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