Apple Computerにとって、G5チップを搭載したPowerBookをリリースすることは、引き続き重大な課題となっている。
Appleの顧客は、同社からPowerBook G5が発表されるのを長い間待ち続けている。パワフルなG5チップは、2003年にPower Macシリーズに初めて搭載され、昨年からはiMacにも採用されている。
同社はMacファンがG5 PowerBookを望んでいることを十分承知しており、技術的にもすでに実現可能な段階にある。しかし、IBM PowerPC 970FXプロセッサ(Appleでは、970FXとその前身である970を「G5」と呼んでいる)が比較的大量の電力を消費することを考えると、G5を積んだPowerBookはサイズや重量、ノイズなどの点で妥協せざるを得なくなるだろう。しかし、Appleにとって、またおそらく大半の顧客にとって、これは受け入れ難いことだ。
「G5チップを搭載したノートPCは、ぶ厚くて重いものとなり、だれもが逃げ出すほど大きなノイズを発生するだろう」とMicroprocessor Report編集長のKevin Krewellは述べている。「Appleが製品の設計に関してそうした選択肢を選ぶとは思えない」(Krewell)
Appleもこの設計上の課題を認めている。
AppleのDavid Moody(ワールドワイドMac製品マーケティング担当バイスプレジデント)は米国時間1月31日、CNET News.comに対し、「PowerBookのような薄くて軽いノートPCにG5を搭載することは極めて困難だと言っても過言ではない」と述べた。
Appleは31日に、待ち望まれていたG5 PowerBookではなく、これまでよりも若干高速なG4プロセッサを搭載したPowerBookの新シリーズを発表した。この新モデルでは搭載するメモリ容量も増え、トラックパッドスクロールや、マシンの落下時にPowerBookのハードディスクを守るモーションセンサなどの新機能も追加された。Moodyは、新しいPowerBookがG5移行前の最後のマイナーチェンジになるかどうかについては口を閉ざし、PowerBook G5の発売時期に関しても詳細も明かさなかった。
何がPowerBook G5の登場を阻んでいるのか
G5を積んだPowerBookの登場が遅れている最大の原因はチップそのものにある。IBMの技術資料によると、同チップの消費電力は2.5GHz動作時(電圧は1.3ボルト)で最大100ワットとなっているが、これはノートPCとしてはかなりの消費量だ。しかし、クロックスピードを下げる、もしくはクロックスピードと電圧の両方を下げることで消費電力は抑えられるという。
IBMの関係者は、Power PC 970チップシリーズに関する同社の計画についてコメントを差し控え、またその後の技術資料に関する問い合わせにも回答していない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」