サンフランシスコ発--新興企業の UltraCellが、ノートPCを14時間駆動できる重さ2.2ポンド(約1kg)の燃料電池のプロトタイプをIntel Developer Forum(IDF)で公開した。
UltraCellのマーケティング担当バイスプレジデントWilliam Hill氏は米国時間3月8日、IDFでインタビューに答え、同電池の販売開始は2007年を予定し、価格は500ドル未満になることを明らかにした。同社は、カリフォルニア州リバーモアに本拠を置く社員50人の企業である。
燃料電池は水素と酸素を水と電力に変換するが、技術と費用の面から大半の市場には浸透していない。しかし、自動車や携帯電話などのさまざまな市場に同技術を導入すべく、多くの研究者が取り組みを続けている。
Hill氏によると、UltraCellのシステムはメタノールが燃料となっており、改質技術を組み込むことで、メタノールを燃料電池本体で利用可能な水素に変換しているという。しかし、燃料が足りなくなったらメタノールを数リットル購入し、燃料電池を満タンにするといった流れにはならない。
UltraCellでは代わりに燃料カートリッジを販売するとHill氏は述べる。このカートリッジは4ドル未満で販売され、リサイクルも可能だ。
Intelは、ノートPCなど各種携帯端末の電源問題に取り組んでいるが、燃料電池には慎重な構えを見せている。
Mobile PC Extended Battery Life Working Group(EBLWG)に参加するIntel代表のKamal Shah氏によると、同社と、EBLWGに参加する同社のパートナー各社の予想では、ノートPCに燃料電池が採用されることは当面はないという。同氏は、主流のノートPCで燃料電池が現実のものとなるには、流通や規制当局の問題など、さまざまな課題をクリアする必要があると述べる。また、これらの課題が5年以内にクリアされることはない、というのがIntelの予想だという。
ただし、Hill氏によると、唯一クリアになっている規制があり、それは航空機内での同カートリッジの利用だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス