SkypeとIntelが米国時間8日に明らかにしたところによると、Skypeの提供するVoIPソフトの最新バージョンでは、最大10人のユーザーが同時に会話できるが、ただしそのためにはIntelのデュアルコアプロセッサ搭載PCが必須になるという。
Skypeは、同社が先月公開した「Skype 2.0」の電話会議機能を活用できるプロセッサとして、Intelの「Core Duo」および「Pentium D」を推奨している。これに対し、同社のシングルコアチップや、Advanced Micro Devices(AMD)のデュアルコアチップ「Athlon 64」を搭載したPCでは、参加者の人数がこれまで通り5人に制限される。Athlon 64は、一部の性能テストでIntelのデュアルコアチップを上回る結果を出している。
Skypeのソフトウェアを利用することで、PCユーザーは別のSkypeユーザーとインターネット経由の無料通話ができるほか、携帯電話や固定電話と有料で通話することも可能だ。
デュアルコアプロセッサは、1つのCPU上に2つの処理エンジン(プロセッサコア)を搭載する。各プロセッサコアの動作速度は、シングルコアチップのそれよりも遅い場合が多いが、たとえばビデオストリームをデコードしながらウイルススキャンをかけるなど、負荷の高い作業を2つ同時に処理しなくてはならない場合などには、デュアルコアプロセッサが強みを発揮する。
IntelのRob Crooke(Business Client Group、バイスプレジデント)によると、AMDとIntelはいずれもデュアルコアチップを昨年市場に投入したが、Skype 2.0で10ユーザーの同時通話(電話会議)ができるのは、同ソフトウェアがPCの起動時にIntelチップ固有のコードを検知したときに限られるという。
IntelはSkypeに、マルチユーザーによる電話会議を快適に行えるように自社チップに搭載するコードをSkypeのソフトウェアに最適化させる計画を持ちかけたと、Crookeは説明した。Intelはここ数年、AMDに対する競争優位を示すために、自社のソフトウェア開発資源を売り込むことが増えてきている。AMDは、マーケティング関連予算でもIntelに後れを取っている。
AMDやVia製のx86プロセッサに、Intel製チップと同じように最適化されたコードが搭載されることはない。IntelとSkypeは昨年8月のIntel Developer Forumで、Skype製品をIntelチップ上で最適に動作させるための提携を発表していた。
VoIPを使った電話会議を実行するには高い処理性能が要求される。Skypeは動作速度400MHzのプロセッサでも動かせるが、この場合は1対1の通話しかできない。複数のユーザーが同時に会話するためには、PCが追加ユーザー分のセッションを同時にホスティングする必要がありプロセッサに負荷がかかるとSkypeの関係者は説明している。
Intelに独占的に協力する道を選んだことで、SkypeはIntelの技術よりも強力とされる技術を排除することになる。昨年Tom's Hardwareが行った一連のベンチマークテストでは、一部のマルチタスク処理を除いて、AMDのデュアルコアチップのほうがIntel製デュアルコアチップよりも好成績を収めていた。
Skypeはこの機能の公開に先立って、性能を確認するための広範なテストを実施したと、SkypeのHenry Gomez(北米部門ゼネラルマネージャ)は述べている。同氏は、SkypeがIntelのデュアルコアプロセッサが示した性能の高さに大変満足していると述べたが、AMDのデュアルコアチップとの比較テストを行ったかどうかについてはコメントを避けた。
Gomezは、10人が会話に参加できるこの機能について、当面はIntelチップを搭載したPCに限定されることになると述べたが、この独占契約の終了時期については明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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