KDDIは10月24日、携帯電話向けデジタル放送の「ワンセグ」を受信できる三洋電機製の端末「W33SA」など3機種を11月下旬から順次発売する。W33SAはアナログ放送も受信可能で、2006年4月1日のワンセグ開始に向け、他社に先駆けて対応機種を販売する。
テレビ番組表からの番組検索や、「聴かせて検索」サービスと連携させた放送中のBGMの検索を可能とした。また、データ放送で送られてきた店舗の住所などの情報を利用して、「EZナビウォーク」で周辺地図や行き方を案内するサービスも提供する。
アナログ放送のチューナーも搭載しているため、ワンセグ開始まではアナログ放送を視聴することになる。ワンセグの受信可能エリアは地上デジタルと同じで、当初は一部の地域しか受信できないが、「アナログ放送に対応することで、ワンセグのエリアを気にせずテレビを楽しめる」(KDDI au商品企画本部 プロダクト統括部長の酒井清一郎氏)とした。アナログ放送はVHF帯とUHF帯の両方が受信できる。ワンセグの場合、移動中でも時速100km程度であれば放送を受信できるとのことだ。
番組は本体メモリに録画できる。ワンセグの場合は最大約20分、アナログ放送の場合は同約40分保存できる。ただしminiSDなどの外部メモリに保存することはできない。
また、新たなサービスとして、文字や写真も送れるPush to Talkサービス「Hello Messenger」にも対応する。これは最大5人のメンバーに対して同時に話しかけたり、文字や写真を送れるインスタントメッセンジャーのようなサービスだ。
Push to TalkはライバルのNTTドコモが19日に「プッシュトーク」という名称で発表したばかり。ドコモの場合は音声だけしか利用できないが、auの場合は文字やその場で撮った写真を送れる。ただしどちらもパケットを利用した通信で、対応端末でしか利用できない。
Hello Messengerの利用料金は、基本料は無料で、音声通話の場合は2秒1.05円。ただし2006年4月30日まではキャンペーン期間中として20秒1円になる。ドコモとは異なり、音声通話に関して定額プランは用意していない。「ユーザーがふと使いたいと思ったときに、定額では敷居が高い。それよりも従量制にして安い料金にしたほうがいい」(酒井氏)。ただし、文字や写真を送る場合は1パケット0.2円(CDMA 1X WINの場合)で、こちらについてはパケット定額制が適用される。
W33SAではこのほか、FMラジオ放送、赤外線通信に対応し、ICレコーダー機能などを備える。カメラは126万画素でオートフォーカス機能を搭載した。
KDDIではW33SAのほかにも、Hello Messengerに対応した端末2機種を発表している。フルブラウザの「PCサイトビューアー」やBluetoothに対応し、高性能グラフックエンジンの「T4G」を搭載して3Dゲームが利用可能な東芝製の「W32T」と、323万画素のデジタルカメラを搭載した京セラ製の「A5515K」だ。いずれも11月下旬以降に発売する。
auの冬モデル3機種。左上がワンセグ対応のW33SA、右上がPCサイトビューアー対応のW32T、下が323万画素のデジタルカメラを搭載したA5512Kだ |
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