チップの供給過剰が価格の低下につながり、今年はPCの購入者にとってうれしいクリスマスになる可能性が高いことをアナリストが明らかにした。
今夏に仕入れたIntelプロセッサの余剰と、マーケットシェア拡大を狙うAdvanced Micro Devices(AMD)の野望とが重なり、コンピュータの価格は今後3カ月で最大10%下がる可能性がある。
では、大きな話題になっている100ドルPCが主要PC市場に登場するのだろうか?Current AnalysisのシニアアナリストToni Duboiseは、それは時期尚早だと否定している。だが、「プロモーションには注視すべきだ。極めて大胆な価格が提示されるだろう」と語っている。
現在の状況から、Intelの「Celeron」もしくはAMDの「Sempron」プロセッサ、256MバイトのRAM、最低40Gバイトのハードディスク、そして「Windows Home Edition」がパッケージングされて199ドル、といったエントリーレベルの特価デスクトップが登場する可能性はある。このPCには、17インチのCRTモニタや、もしかするとプリンタまでバンドルされる可能性もあると、Duboiseは語っている。現在小売販売されるデスクトップの約18%はキャッシュバック後の価格が500ドル未満になっていると、同氏は付け加えている。
「在庫過剰の影響が大きいのは、メーカーにとって値下げの余地が大きいミッドからハイエンドの分野だ。低価格帯では赤字になるが、これらの分野なら利幅を削るだけで済む」(Duboise)
Duboiseは、小売業者が昨年IntelのCeleronモバイルプロセッサ搭載ノートPCを499ドルで特別に売り出していることに言及し、ラップトップの価格も下がる、との見通しを示した。しかも最近では、よりハイエンドのCentrinoプロセッサを搭載した1000ドル未満のノートPCが例外ではなくなってきた。
主要デスクトップPCの平均販売価格は、2004年夏の735ドルから2005年夏の647ドルへと12%も低下しているが、PCメーカー各社は基準価格の設定には慎重を期し、プロモーションによって顧客を獲得する方向だと思われる。
Duboiseによると、ミッドレンジやハイエンドのデスクトップ/ノートPCは調整の余地が大きいため、Intelの「Pentium 4」やAMDの「Athlon 64」チップ、512MバイトのRAM、80Gあるいは100Gバイトのハードディスクを搭載した主要PCの価格は、10%低下して約583ドルになる可能性があるという。同氏によると、ATI Technologiesのグラフィックスカードを内蔵したエントリーレベルの「Media Center」搭載PCも、599ドルから539ドルへと価格が下がるかもしれないという。
Current Analysisによると、実店舗(Hewlett-Packard、Gateway、ソニーといったブランドの販売店)で販売される主要デスクトップPCの2005年9月の平均販売価格は約719ドルだったという。これには、キャッシュバック分は含まれていない。また、平均的なAthlon 64システムの小売価格は約633ドルと、Hyper-Threading(プロセッサによる複数タスクの処理を支援するパフォーマンス強化機能)対応Pentium 4を搭載したデスクトップの平均価格845ドルを大幅に下回る。最も安いのはCeleron Dチップを搭載するデスクトップコンピュータで、平均価格は446ドルとなっている。
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