松下電器産業は10月18日、SDメモリーカードを記録メディアとするデジタルオーディオプレーヤー「D-snap Audio」の新製品4機種と、ハードディスク(HDD)を搭載したSDミニコンポ「D-dock」の2機種を11月19日より発売すると発表した。
製品発表に先駆けて、パナソニックマーケティング本部本部長の牛丸俊三氏は、SDカードの現状について説明した。牛丸氏は、「コンパクトフラッシュカードやメモリースティックなどいろいろある中で、2000年参入の最後発ながらいまや世界最大のインフラを有し、現在もっとも支持されている世界のデファクトスタンダードになっている」と語った。SDカードのシェアは、2003年には3割にも満たなかったがいまや4割、来年は5割以上になると予想されている(グラフ)。
欧州で携帯電話の採用が進むなどデジタルカメラを中心に伸びており、SDカード市場に賛同するするSDアソシエーションへの参加企業は800社にのぼっている。2000年の生産開始から、生産量はグローバルで累計1億8000万枚に達し、国内でも累計6700万枚以上に達している。メモリーカードの国内シェアは現在7割を超える勢いで、「一番普及しており、手に入れやすいカードがSDカードだ」(牛丸氏)としている。
こうしてSDカードが伸びた背景について牛丸氏は、(1)切手サイズで2グラムという小型軽量性、(2)2GBの大容量まである幅広いラインアップ、(3)データの高速転送、(4)著作権保護技術の4点を挙げた。また、さまざまな機器で利用できる汎用性にも支えられ、「デジタルカメラの70%以上で記録媒体として採用されており、PCや携帯電話、薄型テレビ、DVDレコーダー、SDカードムービーとその活用の幅が広がっている」(牛丸氏)とし、31のカテゴリーで4000機種以上に採用されている。
このように広がるSDカードだが、牛丸氏は「その中でもっとも期待できるのがオーディオの分野で、急速に市場が拡大しているが、その半面で不満や要望も多く、こうした声に応えるためにもっとも手に入れやすいSDカードによる新たなオーディオスタイルを提案する」と、今回新製品を投入した経緯を話した。
デジタルオーディオプレイヤーに対する不満や要望は以下があるという。
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こうした不満などは、SDカードですべて解決できるとし、「家でもどこでも楽しめるデジタルオーディオを実現した。家では、新たなブランド『D-dock』の大容量HDDにどんどん音楽を保存して、たっぷり貯めた音楽を本格的な音で楽しみ、これをすでに持っているSDカードへ録音して「D-snap Audio」を持ち出せばアウトドアでも高音質で楽しめる」(牛丸氏)と新製品をアピールした。
新製品の日本国内での見通しについて牛丸氏は、「4〜6月期は10%強のシェアを獲得してピーク時には20%とれたが、そこまで伸びるとは予想できずに売り損した」と振り返り、「10〜12月期の市場規模を100〜150万台と予想しており、今度はその20%のシェアを確実に獲得したい」と語った。
D-snap AudioとD-dockの製品概要と価格、発売日などは以下の表のとおり。
D-snap AudioとD-dockの新製品
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HDDの容量の曲数はAAC(64kbps、LPモード)で記録した場合
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