[午前9時45分更新] サンフランシスコ発-- Apple Computerは米国時間7日、音楽再生機能を搭載する携帯電話と、人気の高いiPod miniに代わる薄型のiPodを新たに発表した。
報道関係などの招待者限定で行われたこのイベントで、JobsはMotorolaのCEOであるEd Zanderとともに、カラー画面を搭載し、iTunes Music Store(iTMS)からダウンロードした楽曲を保存可能な「Rokr 」(「サッカー="soccer"」と韻を踏む)という携帯電話を発表した。同製品は、MotorolaとAppleが音楽再生機能を持つ携帯電話機を共同で開発していると発表した2004年7月以来、登場が待ち望まれていたもの。
Steve JobsによるiPod nanoの発表の様子(News.comビデオへリンク)
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「本日、これまでの噂話に終止符が打たれ、実際に音楽が聴けるようになった」と、携帯電話キャリアCingularの最高業務責任者(COO)を務めるRalph de la Vegaは述べた。米国では同社がRokrを独占的に扱うことになっている。
Rokrには512Mバイトのメモリーカードが付属するが、それより大容量のカードに差し替えても約100曲しか楽曲を収められない。また、Rokrにはアルバムのジャケットを表示できるカラーディスプレイと、ステレオスピーカーを内蔵するほか、マイクロフォン兼用のヘッドセットとして機能するステレオヘッドホンも付属する。
また、Appleはこの日、「iPod nano」という新しいiPodも発表した。この製品に関して、Jobsは「1000曲の楽曲をポケットに入れて持ち歩け、しかもあり得ないほど小さい」と述べた。「iPod NanoはオリジナルのiPodに比べて80%も小さい」(Jobs)
iPod nanoは、最大1000曲を収められる4Gバイトバージョン(249ドル)と、500曲を保存可能な2Gバイトバージョン(199ドル)の2モデルが発売される。「iPod nanoは、オリジナルのiPod以来最大の革命的製品だ」と述べたJobsは、さらに「iPod nanoは、あり得ないほど小さなサイズですべての機能を搭載したiPodだ。この製品が携帯音楽市場全体のルールを変えることになるだろう」と付け加えた。
iPod nanoは、iPodやiPod miniと同じ30ピンのドックコネクタが使われているため、家庭用のステレオスピーカーやカーステレオ用アダプターなど、iPod用に開発された1000種類を超えるアクセサリをそのまま利用できる。
Rokrは、Appleが潜在的な新しい巨大市場に食い込むのに役立つかもしれない--毎年数億台もの携帯電話が販売されている。北米では、Motorolaは最大の電話機メーカーであり、そしてCingularは最大手の携帯通信キャリアだ。
AppleはiPodの売上により市場トップの座に駆け上がった。Solutions Research Groupが米国時間6日にリリースしたレポートによると、デジタル音楽プレイヤー市場における同社のシェアは全体の53%を占めており、第2位につけるソニーとRCAの両社(シェアはいずれも9%)を大きく引き離しているという。
Appleの成功はデジタル音楽プレイヤー業界に凄まじい連鎖反応を引き起こした。Rioミュージックプレイヤーを製造していたD&M Holdingsは先月、デジタル携帯オーディオ事業部の閉鎖を明らかにしたが、その理由の1つにAppleの同市場における圧倒的な強さをを挙げていた。
Appleが携帯電話--音楽プレイヤー市場に参入することに関しては、アナリストの間で意見が分かれている。
Endpoint Technologies Associatesの社長兼主任アナリストであるRoger Kayは、「今回の動きは主に防衛策だと思う。携帯電話は音楽の再生に最適なデバイスとは言えない」と語っている。
Kayは、携帯電話がすでにひときわ高い人気を持ち、ますます強力な音楽再生機能を搭載してきていることを考えると、他の電話機メーカーや携帯電話事業者がAppleとの提携を回避しようとする可能性があり、同社はこの点を懸念すべきだと指摘した。
Gartnerのアナリストらは、今年だけでも7億8000万台の携帯電話機が販売され、2009年までには年間10億台の携帯電話機が販売されるようになると予測している。
一方で、Technology Business Research(TBR)のTim Dealなど他のアナリストらは、Appleの携帯電話市場参入は、iPod戦略だけでなくiTMSの戦略としても自然な流れだと述べている。
Motorolaも、Appleとの提携による携帯電話の売上拡大を当て込んでいる。Gartnerのランキングでは、Motorolaは、先ごろ「N91」という端末をリリースしたNokiaに次いで、世界第2位の携帯電話ベンダーとなっている。音楽再生に対応するN91は、カラー画面、カメラ、そして約1000曲を保存可能な4Gバイトのメモリを搭載している。また、Samsungの「SGH i300」やソニーの「Walkman W800」にもMotorolaのRokrと同じような機能が搭載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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