ある証券アナリストが作成したElectronic Arts(EA)に関する調査メモが、ゲーム機マニアの間で大きな話題になっている。8ページにわたるこのメモのなかで、ソニーが「PlayStation 3(PS3)」の発売を延期する可能性が示唆されているためだ。
今後各社が発売する次世代ゲームのリリース日は、各方面から高い関心を示しており、とりわけMicrosoftの「Xbox 360」とソニーのPS3の日程は大きな注目を集めている。
いまのところ、Xbox 360の発売を今年の年末商戦に間に合わせると発表しているMicrosoftが1歩リードしているように見える。ソニーはPS3の発売を来年前半に想定しているが、そうなれば話題集めや売上の面でXboxに数カ月分のアドバンテージが与えられることになるからだ。
しかし、Wedbush Morgan SecuritiesアナリストのMichael Pachterは、リリースの順番は関係ないかもしれないとの考えを示している。同氏の考えでは、MicrosoftがXbox 360の発売時にわずか10〜12種類のゲームしか用意しないと報じられていることから、同社が市場を支配する可能性は非常に低いという。さらに、ソニーがXbox 360の発売に合わせ、いまだに人気の根強い「PlayStation 2」を99ドルまで値下げして対抗してくることも想定される、と同氏は記している。
PachterはCNET News.comに対し、これらの要因を総合して考えると、Xbox 360の立ち上げはMicrosoftの期待通りに行かないと思うと述べた。「私がこのなかで強調しようとしているのは、ソニーには複数の選択肢がある、ということだ」(Pachter)
そして、これらの選択肢のなかには、「PS3の発売が2007年初頭にずれ込む可能性がある」と同氏のメモには書かれている(このメモはElectronic Artsの業績見通しを中心に書かれたものだが、今後の家庭用ゲーム機市場にも触れている)。
しかしPachterは、ソニーがこのような延期に踏み切るのは、MicrosoftがXbox 360を最初にリリースしても市場をリードできない、と同社が考える場合に限ると明言している。ソニーは、PS3の市場投入に問題を抱えているのではなく、力関係を背景にこのような措置がとれる、というのが同氏の見解だ。
ただし、Pachterの推論に全員が同意しているわけではない。
調査会社Envisioneering社長のRichard Dohertyは、ソニーによる説明から、同社が当初の予定通り作業を進めているとの感触を得たと述べている。
「ソニーは全事業部総出でPS3の来年春投入に全力を挙げている。同社は(ゲーム業界最大のイベントである)E3に発表するとわれわれは考えている」とDohertyは言う。「彼らはあくまで2006年第2四半期に発売するつもりだ」(Doherty)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」