次世代ゲーム機をめぐっては、何カ月にもわたって噂やリークが流れていたが、ソニー、Microsoft、任天堂の3社はここに来て、各々の新型ゲーム機の詳細を発表し、処理性能の高さを競い合っている。
だが、各社が浮動小数点やテラフロップといった言葉を使って性能の高さを売り込んでいるにもかかわらず、ゲーム愛好者やアナリストらは一様に、各社に向けてあるメッセージを送っている。そのメッセージとは「結局はゲーム(タイトル)次第」というものだ。
この1週間にMicrosoftの「Xbox 360」、ソニーの「PlayStation 3(PS3)」、任天堂の「Revolution」が発表されたが、それで明らかになったのは、次世代ゲームが信じられないぐらい高機能になるということだ。これらのゲームでは、高品位(HD)映像に対応するグラフィック機能や、数多くのネット/無線ベースのマルチプレイヤーゲームに対応する機能がオプションとして提供される。
各社の新製品の概要が明らかになった現在、市場の注目はゲーム開発者に向けられている。これらの開発者は各社のゲーム機の新しい機能を利用したゲームを開発しようと先を争っている。彼らのつくる製品が最終的に各プラットフォームの勝敗を決すると、アナリストらは述べている。
「どこが一番多くゲームタイトルを揃えられか。その一点にすべてがかかっている」というのは、Jupiter ResearchアナリストのMichael Gartenberg。「ゲーム市場での戦いはそれで決まる」(Gartenberg)
最新ゲーム機の発表を受けて、一部のゲーム開発者はすでに特定のプラットフォームに傾き始めている。
「最新のゲーム機が高性能なのに驚いた」というのは、カリフォルニア州サンラファエルにあるゲーム開発会社Factor 5で社長を務めるJulian Eggebrecht。「これらの新製品は、われわれの開発作業を自由にしてくれるだろう」(Eggebrecht)
Factor 5は任天堂の「GameCube」向けに、「Star Wars: Rogue Squadron」を製作した会社だが、Eggebrechtによると同社は今後ソニーのPS3のみをターゲットにゲームを製作するつもりだという。
Eggebrechtは、カリフォルニア州で18日開幕したゲーム業界のイベント「E3 2005」で、「この選択のかぎとなったのは性能だ」と述べた。Factor 5は、MicrosoftのXbox 360用ゲームを開発する準備を進めていたが、PS3が3.2GHzのCellチップを搭載し、Xbox 360よりも高い処理能力を持つことを知って乗り換えることにした。PS3では、処理能力がXbox 360よりも高い分、簡単に現実の世界をシミュレートすることが可能になり、それだけゲームの中身を優れたものにできると、同氏は述べた。
ゲーム愛好者も次世代ゲーム機が持つ機能に大きな期待を寄せており、特定のゲーム機がどのくらい自分たちの予想に応えるものかという点について、オンライン/オフラインの両方で議論に花を咲かせている。
Matthew Freestoneというユタ州在住のXboxユーザーは、ソニーと任天堂の最新ゲーム機の仕様を聞いた後でも、Microsoft製品から乗り換える気にはならなかったという。Freestoneは「Halo」の大ファンで、「Halo」がプレイできるからXboxを使い続けるといっても過言ではない、と述べている。
「ソニーには、『Halo』のような、どうしてもそのゲーム機が欲しくなるゲームタイトルがない」とFreestoneは電話によるインタビューのなかでそう語った。「結局はそういうゲームがあるかどうかだ」(Freestone)
ロサンジェルス在住のGameCubeユーザー、Aaron McBrideは、PS3を検討するのも悪くないと思っていると言う。そう考える理由はゲームの品揃えだ。
「PS3を使ってみようかと思っている。これまで任天堂ユーザーだったから、これは私にとって大きな決断だ」とMcBride。「GC(GameCube)はゲームが少なく、その点にちょっとがっかりしているが、Revolutionでもこの状況が変わる様子はないようだ」(McBride)
McBrideとは対照的に、英国のマンチェスターに住むRachel Wildは、次も任天堂のゲーム機を買うつもりだと述べる。理由は『Animal Crossing』など、同機がサポートするゲームタイトルにある。
「PS3はクールだし、素晴らしいグラフィックなどの新機能もいいと思うが、面白いゲームがなければ、高性能な製品を買ったところで意味がない」とWildはIM経由で述べた。「PSのゲームタイトルはあまり好きではない」(Wild)
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