ヒューマノイド(人型二足歩行ロボット)の開発・販売を行うゼットエムピー(ZMP)は4月12日、人型二足歩行ロボット「nuvo」を4月下旬より販売すると発表した。同日より同社サイトで受注を開始する。また、nuvoの量産に関してセイコークロックと提携したことも明らかにした。
ZMPは科学技術振興事業団の北野共生システムプロジェクトが開発したヒューマノイド「PINO」の技術移転を受け、2001年1月に設立されたベンチャー企業。2004年3月にはnuvoのプロトタイプを公開しており(関連記事)、nuvoの足部分のみを「e-nuvo」という名称で研究機関向けに販売している。e-nuvoは1台約80万円で、これまでに約100台の販売実績があるという。
ZMPによれば人型二足歩行ロボットが家庭向けに販売されるのは世界初という。nuvoの商品化において、ZMPはコア技術の開発や全体設計を担当した。セイコークロックはロボット部品の製造や調達、組み立て、検査などを行った。また、ルネサステクノロジがnuvo向けにロボット全体の制御をつかさどるCPUマザーボードの設計・製造、ソフトウェアの開発サポートを行っている。
nuvoの大きさは身長39cm×幅35cm×奥行き12cm、体重約2.5kg。全身に15個の自由関節を備え、歩行や起きあがり、ダンスなどができる。31万画素のCMOSカメラが顔部分についており、静止画を撮影できる。操作は専用リモコンで行うほか、携帯電話からインターネットを利用して遠隔操作することもできる。ネットワークは有線LANとIEEE802.11bに対応する。充電時間は約2時間、連続歩行時間は約1時間。ACアダプターで充電が可能だ。
音声認識機能も備えており、音声指示によってnuvoをコントロールすることができる。音声認識エンジンにはアドバンスト・メディアのAmiVoiceを搭載した。ユビキタスエンターテインメントのスケジュール管理サービス「UBIMEMO(ユビメモ)」と連携しており、例えばnuvoに「明日の予定は?」と話しかけると、nuvoが無線LANを利用してユビメモのサーバに登録されているユーザーのスケジュールを確認し、「11時から会議です」といったように発話して答える。
量産化に伴い、ZMPでは金型に最適な機械設計の見直しや、安全面を考慮した機構設計などを新たに行った。また、運動制御とインターネット接続、メディア処理を統合できるよう、ソフトウェアプラットフォームの再構築を行ったという。OSにはMicrosoftのWindows CEを採用している。
価格は4色のカラーバリエーションがある通常モデルが58万8000円、蒔絵(まきえ)が施された「nuvo Japanism」が88万8000円。いずれも個数限定で、通常モデルが各色500体、Japanism3種が各100体となる。販売はZMPのnuvo専用サイトで行うほか、4月13日から21日までの期間限定でインテリアショップ「hhstyle.com」青山店でも展示と受注を行うとしている。
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