Hitachi Global Storage Technologies(HGST)は米国時間4日、1平方インチ当たり230Gビットの高記録密度を誇るハードディスクドライブ(HDD)を発表する。このHDDの誕生で、将来は記憶容量が20GバイトのiPod miniの開発も可能になる。
同社はこのHDDを2007年に発売すると見られている。
今回の記録密度の大幅な拡大は、垂直磁気記録技術の改良によって実現された。今日のHDDは水平磁気記録方式でデータの記録/保存を行なっている。同方式では、読み書きヘッドは水平面上でスキャニングを行なう。一方、垂直磁気記録では、データビットが垂直に配列されるため、限られた領域により多くのデータを押し込むことができる。
別の言い方をすると、水平磁気記録方式ではデータはXY座標で表される二次元の平面に保存されるが、垂直磁気記録方式ではXYZ座標で表される三次元の空間に保存されることになる。
「われわれはヘッドとディスクの設計を大幅に見直した」と語るのは、Hitachiの製品戦略/マーケティング担当シニアバイスプレジデント、Bill Healy。「われわれは1950年代から一貫して水平磁気記録方式のハードドライブを開発してきた」(Healy)
Healyによると、HGSTは垂直磁気記録技術を採用したHDDを2005年末頃に発売するが、これは記録密度が1平方インチ当たりわずか130〜150Gビットと、4日に発表予定のディスクに比べて大幅に劣り、ほとんど過渡的技術として使用されることになるという。水平磁気記録型ドライブの最大記録密度は、1平方インチ当たり120Gビットと見られている。
Healyによると、垂直磁気記録型HDDが市場に広く出回るようになるのは、記録密度が1平方インチ当たり230GビットのHDDが発売される2007年以降になるという。この技術により、HGSTは将来、直径1インチの大きさで、記憶容量が20Gバイトのマイクロドライブや、1テラバイトの記憶容量を誇るPC/デジタルビデオレコーダー向け3.5型HDDを発売できるようになる。
現在、マイクロドライブの容量は最大で6Gバイトとなっており、また1テラバイトの記憶容量を持つホームサーバは通常複数のHDDが搭載されている。
HGSTによると、今後5〜7年のうちには、垂直磁気記録技術を採用した60Gバイトの容量を持つマイクロドライブが登場する可能性も高いという。
HGSTと競合するSeagateや東芝などでも、垂直磁気記録型HDDの開発に取り組んでいる。一部の大手企業はほぼ同時期にこの技術への移行を果たしそうだが、比較的規模の小さい企業はこの際に落伍する可能性もあるとHealyは推測している。
「大規模な技術の移行期が分水嶺になる」(Healy)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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