ソニーは米国時間28日、PlayStation 2の販売差し止め命令について上訴する一方、同ゲーム機を引き続き米国市場で販売していくと語った。
北部カリフォルニア連邦地裁判事のClaudia Wilkenは先週末、「触覚」技術を開発するImmersion(本社:カリフォルニア州サンノゼ)がソニー・コンピュータエンターテイメント(SCE)に対して起こした特許侵害訴訟に関連して、この命令を下した。同技術の応用範囲は広く、ゲームコントローラがプレイ中のイベントに反応して振動するフォースフィードバックもその1つ。
Immersionでは、PlayStation 2およびオリジナルのPlayStationへのフォースフィードバックの実装方法が同社の特許を侵害していると主張。Microsoftも2年前、PC用ジョイスティックなどの製品をめぐって同様の訴えを起こされ、同社に2600万ドルの和解金を支払っている。
ソニーはこれらの訴えを受けて立ったが、陪審員がImmersion有利の判断を下して8200万ドルの賠償金支払いを命じるという打撃を被った。ただし、審理後の申し立てに対する判事の判決が出るまで評決の実施は延期されていた。
Wilken判事の今回の判決により、ソニーへの判断が確定したことで、同社には陪審員の評決で示された8200万ドルならびに870万ドルの利息をImmersionに支払う命令が下された。
Wilkenは別の命令で、ソニーに対して「侵害が認められるPlayStationの米国での製造、使用、販売、もしくは輸入」を禁じるImmersionの差し止め請求についても承諾した。さらに、この差し止め命令では、ソニーに対して、米国で販売済みのPlayStationに関してもImmersionにライセンス料を支払うよう指示している。
陪審員はこのほかにも、47本のゲームでImmersion特許の侵害を認めた。大ヒットとなった「Grand Theft Auto」シリーズをはじめ、大半のゲームはソニーが発売しているものではなく、命令の執行は複雑化する可能性がある。
しかし同判事は、「上訴審で争点を巡って有利な判決を受ける可能性が高いとするソニーの強気の主張」に言及し、差し止め実施に猶予を与えることに同意している。
Sony Computer Entertainment Americaの関係者は、ソニーが今回の判決について上訴する計画であることと、その一方でPlayStationの販売を継続することを正式に認めた以外はコメントを控えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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