ビル・ゲイツ、CES基調講演--TiVoとの提携などを発表

David Becker (CNET News.com)2005年01月06日 15時48分

 ラスベガス発--Microsoft会長のBill Gatesが、今年のConsumer Electronics Show(CES)の口火を切る基調講演を行った。同社のデジタルメディア戦略に関する年頭の所信表明となったこの講演のなかで、同氏はTiVoとの提携などを発表した。

 デジタルビデオレコーダー分野の先駆けであるTiVoは、TiVoToGoという新たな取り組みで、自社のレコーダーに録画したテレビ番組を外出先からも見られるようにしようとしているが、同社はそのパートナーとしてMicrosoftの協力を取りつけた。TiVoのユーザーは、このサービスを利用すると、同社のレコーダーで録画した番組をいったんWindows XPの動作するパソコンに転送した上で、Portable Media CenterやSmartphoneなど、Microsoftのオペレーティングシステム(OS)が動く携帯機器や電話機にこれを移せるようになる。

 Gatesは、Conan O'Brienというトーク番組の司会者の助けを借りながら、まずMicrosoftのデジタルメディア戦略の概略を説明した。同氏によると、Microsoftは今後もデジタルメディアを簡単に楽しめるようにするための取り組みを続けていくという。

 「今日のリビングルームはといえば、リモコンが5つもあるのに、音楽を好きな場所で聴くこともままならない、というのが実情だ」(Gates)

 このプレゼンテーションの最中には、Windows XP Media Centerを説明するスライドがうまく立ち上がらなかったり、Xboxのゲームのデモが突然停止しメモリエラーを伝えるブルースクリーンが大きく映し出されたり、といったアクシデントが何度かあった。

 これに対し、O'Brienは「いまのアクシデントで従業員が9人ほどクビになりました。(こんなヘマをしでかす)Microsoftという会社の経営者の顔を見てみたいものです」と冗談を飛ばした。

 相変わらず著しい成長を遂げているTiVoだが、同社は最近になって登場した数多くの新サービスから挑戦を受けている。一方Microsoft側には、テレビ番組の録画機能を内蔵するWindows XP Media Centerがまだそれほど普及していないという課題がある。

 今年のCESでMedia Centerがそれほど注目を集めていないことも、特に驚くべきことではない。Gatesによると、PCメーカー各社はこれまでに合わせて140万台のMedia Center搭載パソコンを販売したという。1年前と比べた場合、この数字は堅調な伸びを示しているものの、Windows XP全体の販売数と比較するとごくわずかなものでしかない。

 Gatesが講演のなかで取り上げたパートナー各社の新製品のなかには、Media Centerではなく、Windows Media Connectという技術を利用したものもあった。Media Connectは、ごく普通のWindows XPパソコンと、互換性のある家電製品との間で、デジタルメディアファイルをやり取りするためにMicrosoftが開発した技術だ。

 Gatesは、Windows Media Connectをサポートする初のプラズマテレビを披露したが、これはDigiTrexというホームエンターテインメント機器の専業メーカーが開発したもの。同氏はまた、LG Electronicsが新たに発表したDVDプレイヤー付きのハードディスクレコーダーも披露したが、これにはWindows XP Media Center搭載PCだけでなく、普通のWindows XPパソコンも接続できる。

 Gatesはさらに、Microsoftがテレビのセットトップボックス向けに開発した同社のSmartphoneソフトウェアについて、新たにパートナーとなったBell Southを含め、多くの企業がこれをサポートするようになっていることも明らかにした。また同氏は、MTV Networksとの提携も発表した。これにより、MTVの一部のコンテンツがPortable Media Center搭載プレイヤーやSmartphoneで動く端末にダウンロードできるようになる。

 Gatesは、現在世界28カ国のあわせて61社の携帯通信事業者がSmartphoneのサポートを表明していると述べた。

 一部のゲーム愛好者から注目を集めていたXboxの新バージョンについては、Gatesは沈黙を守り、彼らをがっかりさせた。ただし同氏は、Xbox用のゲームソフト「Halo 2」がこれまでに630万本を売り上げたこと、さらに同社のオンラインゲームサービスXbox LiveにおけるHalo 2の累計プレイ時間がすでに6900万時間に達していることを発表した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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