ニューヨーク州立大学の研究者らが発表した調査結果によると、ノートPCを膝に載せて使った場合、その発熱で陰嚢の温度が著しく上昇し、精子の数が減少する可能性があるという。
現在ますます多くの人が仕事でノートPCを利用するようになっているが、今回の調査結果は、こうした人たちに対して、職場での生産性を優先するか、それとも家庭での生産性をとるかという難しい選択を迫るものかもしれない。
この結果を公表した調査チームの責任者であるYefim Sheynkin博士は、「体温の上昇によって生殖能力に問題が生じることは何年も前から知られていた。ノートPCから発生する熱はかなり局所的で、仕事の内容によってはこの熱にさらされる機会も少なくない」としている。
この調査は21歳から35歳までの成人男子20数人を対象に実施されたもので、ノートPCを膝の上に載せた姿勢では、陰嚢の温度が最大で2.1度上昇することがわかったとSheynkinは述べている。また、ノートPC本体から発生する熱も陰嚢の温度をさらに0.7度上昇させるため、合計では2.8度も上昇する可能性がある。
Sheynkinは、「今回の調査によって陰嚢の温度が著しく上昇することが分かったため、我々はノートPCの利用が精子の生成や品質に及ぼす直接的な影響について、今後一段と踏み込んだ研究を行っていく」とし、来年中に新しいプロジェクトに着手したいと付け加えた。
Sheynkinによると、欧州で行われた生殖能力に関する複数の調査から、一般に陰嚢の温度が1度上昇すると精子の数が最大40%減少することが明らかになっているという。
ノートPCの発熱にまつわる問題は、今回のものが初めてというわけではない。ここ数年、バッテリの不良やACアダプタの欠陥が原因でノートPCから出火したというケースがいくつか報告されている。またノートPCユーザーは、枕や本などを置いた上に本体を載せるなどの発熱対策を講じている。
しかし、ハードウェアメーカー各社が生殖能力を保護するラップトップ用の新型周辺機器の設計に取りかかる前に、Sheynkinは次のような注意を呼びかけている。
「陰嚢を保護する装置やパッドも悪くないが、実際に使用される前に、十分な調査やテストを行う必要がある。ノートPCを膝に載せて使用する際の、姿勢や脚の開き具合によっては、陰嚢の温度がさらに上昇する可能性もある」(Sheynkin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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