日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は10月4日、インクジェットプリンタ8機種を発表した。耐久性を向上させた新インクを採用し、デジタルカメラで撮影した画像をきれいな画質で印刷したいというニーズに応えた。また、KDDIのau向けに、携帯電話で撮影した画像をオンライン経由で自宅のプリンタから印刷できる携帯電話用アプリケーションを開発したことも明らかにした。
日本HPではスキャナ/コピー機能などを備えた複合機に力を入れており、今回発表された新機種のうち5機種が複合機となっている。同社の調査によれば2004年夏時点で市場全体の約30%が複合機といい、「2004年冬には複合機が50%を突破するだろう」と日本ヒューレット・パッカード執行役員イメージング・プリンティング事業統括の滝澤敦氏は話す。
3.5インチ液晶搭載のハイエンド機「Photosmart 2710」 |
デジタルカメラユーザーのニーズに応えるため、新たに開発したインクを採用して保存性や画質を向上させた。「これまでプリンタはPCで年賀状を印刷するというニーズが強かったが、昨年末ごろからデジタルカメラで撮影した画像をL版で出力したいというニーズに移行している」(日本ヒューレット・パッカード イメージング・プリンティング事業統括 マーケティング本部 本部長の前田悦也氏)。白黒写真の印刷向けに、白黒のグラデーションをきれいに印刷できるフォトグレーインクも新たに投入した。
日本のユーザーの要望を踏まえ、自動両面ハガキ印刷トレイを新たに開発している。最大100枚のハガキをセットできるため、年賀状印刷に利用できるという。
ネットワークは有線LANのほか、新たにIEEE 802.11gに対応した。PCを介さずに印刷できるよう、PictBridgeとBluetoothに対応し、各種メモリカードスロットも搭載している。
複合機の価格は、3.5インチ液晶搭載のハイエンド機「Photosmart 2710」が5万円前後、2.5インチ液晶搭載の「Photosmart 2610」が3万5000円前後、1.8インチ液晶搭載の「PSC2355」が2万4801円、エントリータイプの「PSC1315」が1万4805円、SOHO/中小企業向けの「Officejet 7410」が6万円前後。単機能型は802.11g対応のハイエンド機「Deskjet 6840」が2万5000円前後、スタンダードモデルの「Deskjet 5740」が1万4805円、持ち運び可能な小型機「Photosmart 325」が1万9803円。10月6日より順次販売する。
同社はau向けの携帯電話用アプリケーション「HP Instant Share for EZアプリ」も発表した。12月上旬よりサービスを開始するという。
auの携帯電話からブロードバンドに接続したプリンタに画像を送信し、直接印刷することができる。同社によると、携帯電話からインターネットを経由してインクジェットプリンタに直接出力するサービスは世界初という。同アプリの利用は無料となる予定だ。
KDDI au事業本部au商品企画本部モバイルサービス部部長の重野卓氏は「メガピクセルカメラ搭載端末が一般化するにつれ、携帯電話で撮影した画像を外部メモリに移して印刷する利用方法が主流になっている。CDMA1x WINの定額制であれば、SXGAなどのデータ量の大きい画像でも送信できる。HP Instant Share for EZアプリによってBREWの新しい使い方が広がるだろう」と期待を寄せた。
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