Blu-ray DVDフォーマットを支持する団体が、Microsoftのビデオ圧縮技術の採用を進めていることから、同社はDVDの後継技術を巡って対立する2大陣営の双方に確実な足場を築くことになる。
Blu-ray Disc Associationでは、再生専用ディスクの仕様で3種類の動画圧縮/伸張技術(コーデック)のサポートを義務づけようとしているが、そのコーデックの1つがMicrosoftのVC-1であることを、パナソニックの関係者が米国時間8月31日に明らかにした。パナソニックの親会社である松下電器は、Blu-rayフォーマットを支持する13社の企業の1つ。Blu-rayは、高品位番組の時代をにらみ、現在出回っているDVDの後継の座を巡って、ライバルのHD DVDフォーマットと競い合っている。
VC-1とは、映画テレビ技術者協会(SMPTE)がMicrosoftのVC-9コーデックに対して与えた名称で、同団体ではこの技術の標準化の可能性を検討している。VC-9は、HD DVDフォーマットでは既に必須のコーデックとして承認されている。
今回のBlu-ray陣営の決定により、Blu-ray用のプレイヤーをつくるメーカーは、MPEG-4 AVC High Profileや、これよりやや古いコーデックであるMPEG-2などとともに、VC-1も採用しなくてはならなくなる、とハリウッドにあるパナソニックの研究所長Richard Dohertyは述べている。
今回の措置により、これらのコーデックで使われる知的財産を保有するMicrosoftなどの企業にはライセンス料が入ることになる。この判断は、通常の戦略に反してVC-9技術をSMPTEなどのオープン標準化団体に提供したMicrosoftが賢明だったことを証明したようにも思える。Dohertyは、Microsoftのコーデックがオープン標準の技術になったことがBlu-ray支持団体にとって「重要」だった、と語っている。
なお、HD DVD技術の開発を管理する標準化団体、DVD Forumの運営委員会では、VC-9のほかにMPEG-2とMPEG-4 AVCの両コーデックの採用を義務づけている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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