次世代DVD技術を利用すれば、ハードディスクに匹敵する容量のデータを1枚のディスクに格納できるようになる。だが、消費者はこのような大容量を何に活用するのだろうか。これに関して、同技術の支持者らが考えているのは「インタラクティブなコンテンツ」だ。
メーカー各社は、映画「Spider-Man」をDVDの高品位ビデオで鑑賞する前に、消費者が同じディスクの書き込み可能領域にビデオゲームや続編の予告をダウンロードし、保存するという姿を思い描いている。消費者はまた、ゲームや予告編の新しいバージョンが出るたびに、データを更新できるようにもなる。これにより、映画スタジオも消費者に直接売り込む機会を得ることになる。これが、先日開いたプレス発表会でBlu-rayの支持者が描いた、Blu-ray Discとブロードバンド接続されたレコーダについてのビジョンだ。
インタラクティブ機能をお目当てに、Blu-rayのレコーダを買いに走る消費者がでるかどうかは時間が経たなければ分からない。だが今のところ、このような機能は、Blu-ray Discフォーマットを映画スタジオに支持してもらうための目的達成手段の意味合いが強い。ハリウッドの支持は、高品位DVD標準を巡る戦いでBlu-rayを勝利に導いてくれるかもしれない。
Blu-ray Discの広報担当を務めるPanasonicのディレクター、Richard Dohertyは、インタラクティブ機能の追加は「アプリケーション開発の取り組みで最も力を入れている部分だ」と語った。
「これには、どの映画スタジオも高い関心を示している。(Blu-ray Discの)第一弾となる映画作品からこうした機能を含めてもらうのが目標だ」(Doherty)
映画スタジオにアピールすることで、Blu-ray Discの支持者は対抗フォーマットであるHD DVDより優位に立とうとしている。市販のエンターテインメントコンテンツ群をBlu-rayフォーマットで出せるパートナーと協力することは、次世代録画機をマスマーケット向けの製品にしようとしている支持者の取り組みにも役立つ。Blu-ray DiscとHD DVDは、家電製品史上最も短期間で成長してきたDVDの後継の座を巡り、ホームエンターテインメント分野で競い合っている。
しかし、どちらかのフォーマットがVHSのような独占状態を築く中で、もう一方がBetamaxのように忘れ去られる可能性もある。
Universal Studios Home Video社長のCraig Kornblauは、「(次世代DVD)フォーマットを1つだけ用意することが、だれにとっても最善であることは明らかだ。われわれは、(これらの仕様の)評価を進めている途中で、まだ何の判断も下していない」と声明のなかで述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」