デルは6月3日、国内プリンタ市場に参入すると発表した。同日よりインクジェット複合機とモノクロレーザープリンタの販売を開始する。
インクジェット複合機の「オールインワンプリンタ922」はプリンタ機能のほかにカラーコピーやスキャナ機能を備えており、価格は1万3800円。印刷速度はカラーが毎分14枚、モノクロが同19枚。用紙サイズはA4以下となる。
「レーザープリンタ1700n」はA4のみの対応で、価格は2万9800円。印刷速度は毎分25枚。ネットワーク機能を標準装備しており、企業内の共有プリンタとして利用することを想定している。
デル代表取締役社長で米Dell北アジア地域担当 副社長でもある浜田宏氏は、「いずれも同クラスの実勢価格に比べて30%以上安い。デルの優れたサプライチェーンとコスト構造がなしえた価格だ」と胸を張る。
Dell CEO(最高経営責任者)のマイケル・デル氏は1日、アジア各国の市場に自社のプリンタを投入することを明らかにしており、今回の発表は同社の戦略に基づくものだ。プリンタはPCとの親和性が高く、相乗効果が見込めるとしてプリンタの参入に踏み切ったという。「PCメーカーが同時にプリンタを販売し、サポートを提供するというのは顧客満足度の向上につながる」(浜田氏)
販売形態は電話やウェブによる直販で、インクやトナーも店頭には置かないという。その代わりとして、デルでは独自のインク/トナーマネジメントシステムを開発。残量が25%以下になるとPC上に警告を表示し、同社のオンラインストアに簡単にアクセスできるようにした。なお、インクの価格は1980円から、トナーは7500円からとなっている。
販売目標数については明らかにしていない。「小さく生んで大きく育てたい。プリンタ事業は戦略的に重要な製品であり、デスクトップPC、ノートPC、サーバに次ぐ第4の柱としていく」と話す。2003年3月からプリンタを投入している米国では、すでに17%の市場シェアをもつという。
デルでは「ローエンドから市場に入って、少しずつ高機能な製品にも入り込んでいく」(浜田氏)という方針で、年内にはラインアップを増やす予定だ。国内のプリンタ市場はセイコーエプソンやキヤノン、リコーなどの日本企業が大きなシェアを持っているが、「デルがPC市場に参入したときも、NECなどの国内ベンダーがシェアの大半を握っていた。誰もデルが成功するなどとは思っていなかった。こつこつと地道にやっていけば、プリンタもいずれPCと同程度のシェアが取れると思っている」と浜田氏は自信を見せた。
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