Apple ComputerはこのほどiTunesソフトウェアの機能をいくつか改善したが、その一環として、別のコンピュータから音楽をダウンロードすることに悪用された欠陥も修正した。
AppleのiTunesソフトウェアを使うと、MacやWindowsのユーザーは、ネットワーク上の別のPCに格納された音楽を再生することができる。この場合、音楽は格納された別のコンピュータからストリーミング再生される。しかし、ファイル交換技術に詳しい個人が、音楽ストリームをキャプチャして自分のハードディスクに保存するプログラムMyTunesを簡単に作ってしまった。
どうやらAppleは、iTunesの最新バージョン4.5でソフトウェアのこうした欠陥を修正したようだ。
Appleの関係者は米国時間28日、iTunesの新バージョンについて、ファイル共有機能を「強化」したことを認めた。今後は、音楽の共有は個人使用の範囲内に限定され、別のコンピュータに格納された音楽をストリーミング再生できるのはiTunesソフトウェアに限られるという。
また、いったんiTunesソフトウェアを最新バージョンにアップグレードすると、旧バージョンを使用しているコンピュータからは楽曲のストリーミング配信を受けられなくなる。
Appleは以前にも、ネット越しにファイル交換を行った一部のユーザーの行為を受けて、同様の制限をソフトウェアに設けたことがある。
MyTunesを考案したBill Zellerは、Appleの今回の動きに多少驚いたと述べている。
「これまでのすべてのバージョンと互換性をなくすなんて、大胆な決断に思える。旧バージョンと互換性があった頃はよかった」と、Zellerは電話インタビューの中で述べた。
トリニティカレッジ2年生のZellerは、MyTunesが音楽ストリームをキャプチャできないようにAppleが通信プロトコルを微調整したようだと述べた。
「Appleが何らかの方法で、プロトコルを変更したようだ。そのため、MyTunesが使えなくなった」(Zeller)
音楽のストリームをキャプチャする新しいプログラムを誰かが再度作る可能性もあるが、Zeller自身は、自分はもう作らないと述べている。Zellerは先月、自分のコンピュータをクラッシュさせてMyTunesの唯一のソースコードをなくしてしまった。
「他の誰かが、制限を回避できるようなプログラムを作成するかもしれない」(Zeller)
iTunesの一連のコンテンツ保護技術は、Appleのファイル共有制限を隙あらば破りたいと思うプログラマにとって、格好の攻撃対象となってきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス