PalmOneの新しいスマートフォン「Treo 600」が大人気を呼んでいるが、液晶ディスプレイがこの人気に追い付かず、生産に遅れが出そうだ。この遅れが長引けば、同製品の販売の勢いが鈍り、同社の業績回復にブレーキがかかる可能性がある。
PalmOne(旧Palm)の最高財務責任者(CFO)Judy Brunerによると、同社では今四半期の生産に必要な部品は確保しているという。しかし、第2四半期以降は利用するLCD部品の供給量が予測できず、先行きは不透明だと同社の幹部は述べている。
PalmOneは先日第3四半期の決算発表を行った。この電話会議のなかで、同社はTreo 600に関し、予想を大幅に上回る13万7000台を出荷したと述べた。同社の幹部はまた、今期の出荷台数を16万台と予想しており、売上高は7500万ドルになると語った。さらに同社では現在、需要増を見越して新たなサプライヤーを探していることも明らかにした。なお、同社は今期の売り上げが2億4500万〜2億5500万ドルになると予想している。
Treo 600の開発開始と同じ時期に、LCDメーカーはTVメーカー各社から大口の注文を受けるようになり、その結果、PalmOneのような発注量の少ない企業は部品の供給を後回しにされてしまったという。特に同社では「ICドライバ」という部品について、製造契約までこぎつけられないとBrunerは説明している。
ガラスについては次世代製造工場がいくつも建設されており、市場の需要を満たすのに十分なだけの供給量がある。だが、バックライト、カラーフィルタ、ドライバなどの部品の供給量が不足している。
一部のアナリストは、この状況は2年程続く可能性がある、と語っている。
調査会社DisplaySearch副社長のJerry Bensonによると、「部品不足は今のところ、それほど深刻なものではない。しかし、数カ月後には大きな問題になっているだろう」という。
供給不足の問題は、ハイテク製品市場では珍しいことではない。スクリーンやメモリといった限られた数の部品を求めて、多数のメーカーが常に争奪戦を繰り広げている。そのため、予期せぬ消費者の需要に不意を付かれても、それに対応してすぐに増産を行うことは難しい。
調査会社IDCのアナリストKevin Burdenは、「この業界は常に部品不足に悩まされている。需要と供給がピッタリ一致させるため、みんな四苦八苦している」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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