人は自らの遺言書をかなり変わった場所に隠すと言われているが、デジタル形式の遺言書を腕時計の中に隠す人はまずいないだろう。
オーストラリアの技術専門弁護士で、オープンソースの提唱者でもあるJeremy Malcolmは、自国でデジタル遺言書の正当性を試している。同氏は、自分自身と2人の立会人のデジタル署名付きの遺書を128MバイトのUSBメモリを搭載したDUGI腕時計にしまいこんだ。
政府機関は業務処理の有効な手段として、ますますデジタル署名を推進するようになっているが、財産を巡って争っている親族のあいだで、財産を分配する際に利用するところまではいっていない。「遺言書へ署名する手段として、デジタル署名は、まだ認められていない」と、MalcolmはZDNet Australiaに語った。
だとすると、この遺言は法的に有効だろうか? 「他の州にも似たような条項があるが、有効かどうかは、西オーストラリアの遺言法34条にかかっている。34条は死者の遺言に関する意図をはっきりと示している文書は、たとえ8条に従って作成されていなくとも、死者がその文書を遺言と認めて欲しかったことを最高裁判所が認めれば、その人の遺言と認められると述べている。つまり、正式に作成されていなくとも、自分がそれを遺書にするつもりだったことを証明できれば、通用するということだ」と、Malcolmはコメントした
オープンソースソフトウェアの長年のサポーターとして、MalcolmはGnuPGを使ってデジタル署名を暗号化した。
「私がバスにひかれたら、遺言書と3通のデジタル署名が、腕時計にある。バスに手首をひかれなかったらの話で、時計がひかれたらすべてはご破算だ」と、Malcolmは自らのblogに記している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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