MIT卒業生による新興企業、一目で情報が分かるオブジェ型無線機器を発表

David Becker David Becker2004年01月13日 11時20分

 マサチューセッツ工科大学(MIT)から誕生したある新興企業は、情報過多にはさらに多くの情報をもって対処するのがよいと考えている。

 米Ambient Devicesは、MITでの研究に基づく技術を商用化するため、MITの元学生が設立した新興企業だ。同社は環境に情報を巧妙に追加する、新たなカテゴリのワイヤレス機器を普及させようとしている。

 同社の最初の製品は、米Dow Jonesの平均株価やユーザーが選択した株価データの変動に基づいて徐々に色が変化する光る球体、「Stock Orb」だ。新製品の「Weather Beacon」も同様に、天気予報を反映して色が変化する仕組みになっている。両機器ともに、データは、全米のポケベルネットワークを用いたAmbientの情報チャンネルから自動収集される。

 また同社は先週開催されたConsumer Electronics Show(CES)で、「Ambient Dashboard」の計画を発表した。これは、波情報やクレジットカードの利用額など、ユーザーが指定したデータポイントの変化に応じて針が動く3つのメーターがついた機器だ。

 Ambient Deviceの目標は、人の気をそらしたり人の手を煩わせることなく、その人の環境のなかに意味のある情報を追加することだ、と同社社長のDavid Roseは述べている。

 「これは、ワイヤレスやWebサービスや情報過多を利用するひとつの方法だ。我々はこうしたトレンドを、人の周辺視野で消費できる情報と組み合わせている」(Rose)

 MicrosoftのSmart Personal Object Technology(SPOT)腕時計などに代表される他の技術も、便利な情報をちょっと見ただけで消化できるようにするものとされているが、本当にひと目で分かる技術はユーザーインターフェースを慎重に考慮する必要がある、とRoseは言う。小さなディスプレイ上に表示された数字や短いテキストでは、ユーザーはよく注意して見なくてはならない。

 「周辺視野での知覚を利用するなら、音や色、角度、パターンの形式でなければならない」(Rose)

 こうした形式では、テキストや数字ほど多くの情報を伝達できないが、その必要もないのだとRoseは言う。「(Ambient Devicesの)真の目的は、物事が注意すべき方向に変化していることを理解しやすくすることだ。より多くの情報を得るといった行動を起こす前の段階で十分なのだ」(Rose)

 同社初となる機器は、天気予報や株価データに焦点を当てたものだが、このアプローチはウェブから取ってこれる「一次元の情報」ならどんなものにも応用できるという。同社の提供する登録者向け有料プレミアムサービスに加入した顧客は、多くの値についてデータをカスタマイズすることが可能で、また新しいチャネルが随時追加されている。

 「非常に多くの人たちが、国土の安全保障に関するセキュリティアラートを追跡したいといっている。我々には予想も付かなかったことだ」 (Rose)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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