「EfficeonよりPentium M」:日本HP、新タブレットPCを発表

永井美智子(CNET Japan編集部)2003年12月08日 17時12分

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は12月8日、タブレットPCの新版「HP Compaq Tablet PC TC1100」を発表した。CPUをTransmeta製からIntel製に変更し、バッテリ駆動時間と処理速度を高めた点が特徴となる。

 日本HPが採用したのは、Intelの超低電圧版Pentium M 1GHzだ。昨年11月に販売したTC1000に比べ、新製品のTC1100では処理速度が約2倍になったという。またバッテリ駆動時間も4時間から4.5時間へとわずかながら向上した。なお、TC1000ではTransmetaのCrusoe TM5800 1GHzを使用していた。

 今回のCPUの変更理由について、日本HPパーソナルシステムズ事業統括モバイルビジネス本部 本部長の挽野元氏は「HPでは世の中で最もパフォーマンス、コストに優れたものをいち早く製品に搭載することを重視しており、Pentium Mがベストだった」と理由を説明する。さらに、「顧客はバッテリ駆動時間とパフォーマンスを重視しており、それを満たすのがPentium Mだ」とも語る。Transmetaは先日新CPUのEfficeonを発表したばかりだが、挽野氏はEfficeonと比較してもPentium Mのほうが優れていたとの認識を示した。

 挽野氏はタブレットPCの売上状況についても説明した。同氏によると、「HPでは世界を北南米、欧州、日本を含めたアジアの3地域に分けているが、いずれの地域でも当初の予定を上回る出荷となっている。特に欧州ではオフィスが狭いこともあり好調だ。また、日本でも食品業界や医療関係など特定のアプリケーションを使う業種で販売を伸ばしている」という。

タブレットPCの新版「TC1100」

 タブレットPCの顧客層については、「11月にタブレットPCを市場に投入したときは、企業内の個人を中心とした購買層が中心だった。年開けに2番目の波が訪れ、医療や在庫管理の分野など、バーティカル(特定用途向け)な部分が増えてきている。今は3番目の波が来ており、Office 2003の登場によって(タブレットPCの)使い勝手が変わってきたため、一般用途向けの販売が増えているとの感じを受けている」と挽野氏は解説する。ただし具体的な売上台数などは明らかにしなかった。

 TC1100は入力ペンにバッテリが不要なワコムの製品を採用した。標準メモリ容量は512MBとTC1000の倍になり、最大2GBまで搭載可能。またHDDの容量も60GBまで拡大した。無線LANの規格としては、802.11bとBluetoothに対応する。12月下旬の出荷開始予定で、希望価格は23万8000円という。

 日本HPでは同日、企業ユーザー向けにA4サイズのノートPC2機種も発表した。企業のIT管理者や営業部門などをターゲットにした「HP Compaq Business Notebook nc6000」と、CGやCADなどを扱う特定分野をターゲットにした「HP Compaq Mobile Workstation nw8000」である。いずれも802.11a/b/gの無線LAN規格に対応する。

 nc6000はPentium M 1.40GHzを採用し、256MBのメモリと40GBのHDDを搭載する。また、DVD/CD-RWのコンボドライブを備える。12月上旬に出荷予定で、希望小売価格は23万8000円となっている。

 一方、nw8000はノートPCの最上位クラスと位置付けられている。Pentium M 1.70GHzを採用しており、標準1GBのメモリと60GBのHDD、DVD/CD-RWのコンボドライブのほか、マルチベイを搭載する。これによりユーザーのニーズに合わせて様々な構成が実現でき、セカンダリHDDやDVD/+RWドライブ、追加バッテリなどの拡張が可能という。希望小売価格は49万8000円で、1月中旬の出荷を予定している。

 今回発表された3機種はいずれも日本HPのオンラインストア、コールセンター、販売代理店にて販売されるとしている。

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