三菱電機は10月30日、2003年度中間期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比4.6%減の1兆5641億2100万円、営業利益は同47.9%減の120億9700万円、税引前利益は同43.2%増の168億5400万円、当期純利益は同43.6%減の38億2300万円となり、減収減益となった。ただし9月22日に発表した業績の修正予想は若干上回った。
今期の決算について三菱電機 上席常務執行役 経理部長の佐藤行弘氏は「サプライズはなくほぼ予定通り」と分析する。9月22日の時点では売上高が1兆5500億円、税引前利益は150億円、当期純利益は20億円と予想していた。
営業利益が前年同期に比べて減少した主な要因は、売上原価率の悪化にある。価格競争により製品の販売価格が下落したことから、売上高に占める原価の割合が前年同期に比べて1.8ポイント上昇し、76.4%となった。なお為替の影響については、ドル安により売上高が60億円減少したものの、ユーロ高により110億円増加し、全体では20億円の増加となったという。
三菱電機 上席常務執行役 経理部長、佐藤行弘氏 | |
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セグメント別の状況を見ると、重電システム部門の売上高が前年同期比2%減の3247億円、営業損益は同147億円減少し57億円の赤字となった。「国内電力会社や製造業の設備投資の減少、公共投資の抑制の影響をもろに受けている」(佐藤氏)。今後はシステムソリューション事業に力を入れることで、巻き返しを図る方針だ。
情報通信システム部門は売上高が前年同期比4%増の3316億円、営業損失は同31億円改善し34億円の赤字にとどまった。特にシステムインテグレーション事業が好調で、「前年同期は赤字だったがかろうじて黒字になった」(佐藤氏)という。
電子デバイス部門はシステムLSIなどの事業を日立製作所と合弁で設立したルネサス テクノロジに移管したことから、売上高と赤字幅が共に減少した。売上高は前年同期比61%減の873億円、営業損失は同205億円改善し45億円の赤字となった。半導体事業だけを見ると、10億円弱の黒字となったという。ただしディスプレイモニター事業で生産のロスがあったことから全体では赤字となっている。
そのほか産業メカトロニクス部門は売上高が前年同期比9%増の3368億円、営業利益は同19億円減の260億円とほぼ横ばい。家庭電器部門は売上高が前年同期比9%増の4034億円、営業利益は同133億円減の96億円となった。冷夏の影響で国内のエアコンの売上が減少したものの、欧州では猛暑だったために売上が伸び、落ち込みを若干カバーしたという。また、DVD関連機器の売上は「かなり伸びている」(佐藤氏)としている。
三菱電機では中間配当を見送る。通期配当に関しては「通期の業績を見極めた上で実施する」(佐藤氏)としている。通期の業績予想は変更せず、売上高を3兆3000億円、税引前利益を200億円、当期純利益を120億円と見込んでいる。
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