三菱電機(野間口有社長)の2003年度(04年3月期)第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比2%増の7402億円、営業利益が同16%増の89億円、税引前当期純利益が同785%増の83億円、当期純利益が同23%減の6億円となった。
赤字幅が大きかった半導体事業を分社化、日立製作所と共同出資でルネサステクノロジを設立したことで約160億円の減収となった。しかし、産業メカトロニクス部門や情報通信システム部門など、電子デバイス部門以外で前年同期を上回る売り上げを計上し、これを補った。
営業外収益のうち、為替差益など雑収益が拡大、約2倍の94億9900万円となったことも寄与した。しかし、最終利益は、ルネサステクノロジが50億円の赤字を計上したことによる持分法損失が23億1500万円にのぼり、最終的に2億円減益となった。ルネサステクノロジは通年では黒字化する見通し。
セグメント別でみると、情報通信システム部門は、携帯電話が好調だったことに加え、中国向けのPHS基地局構築案件の増加が奏功し、売上高は25%増の1498億2600万円、営業損失は前年同期から39億9200万円改善し、11億7800万円に縮小。
電子デバイス部門は、システムLSIやメモリー事業の分社化の影響によって、売り上げは大幅に減少し同40%の433億1100万円となった。営業損失は前年同期から56億2000万円改善し、33億6600万円。
佐藤行弘 上席常務執行役取締役経理部長・財務担当は、「2−3年前から“集中と選択”を急ピッチで進めてきた。大きく足を引っ張る事業がなくなり、良い方向に向かってきている」と話した。
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