サンフランシスコ発--長年オタクっぽいイメージがつきまとっていたパソコンだが、ついにリビングルームで最もクールな役割を担うときが来たのかもしれない--米Microsoftでは、コンピュータがそんな存在になってくれることに強い期待を寄せている。
Microsoftは予想通り9月30日(米国時間)に、同社のMedia Center PCのアップデート版である、Windows XP Media Center Edition 2004を発売し、併せて同オペレーティングシステム(OS)の新たなパートナー企業を発表した。米Dell Computerとソニーがパートナーメーカーに加わり、音楽や映画をリモコンでダウンロードできるMedia Centerモデルを提供していくことになった。
Microsoftはこの2004 editionで、いくつかの新機能を追加している。最も注目すべきなのは、ラジオ放送の一時停止や巻き戻し、写真の編集・印刷、ハードディスクからCDへのデータ書き込みなどが、すべてMedia Centerのリモコンからできるという機能だ。
Media Centerは、さらに多くの家庭が複数のパソコンを持つようにするための、Microsoftの戦略で重要な位置を占めている。しかし、サンフランシスコで開催された発売イベントでは、ある幹部が言うところの「オタクからお洒落へ」の移行において、Microsoftが依然課題を抱えていることが明らかになった。写真のプレゼンテーションの最中、突如「アプリケーションが異常終了した」という、非常に馴染みのある、いかにもパソコンらしいエラーメッセージが画面上に現れ、それまでスムーズな動きをみせていたグラフィックインターフェイスを台無しにしてしまったのだ。
Microsoftの幹部Jim Allchinは衛星中継で登場し、Media Centerの登場を「エクスペリエンス(体験)コンピューティング」における新時代の幕開けと売り込んだ。
MicrosoftのWindows OS事業のトップであるAllchinは、コンピュータは汎用マシンであり続けるべきだが、特定のタスク向けに再設定される必要があると語った。「パソコンは、人が何か修理しているときに、どの道具を渡してやればよいかが分かる、友人のような存在にまで進化しなければならない。我々が創造しようとしているのは、このパートナーシップなのだ」(Allchin)
米市場調査会社Creative Strategiesのアナリスト、Tim Bajarinによると、第1世代のMedia Center PCの主な障害は、かっこよさではなくコストだったという。
「最大の問題は、大学の寮で暮らす学生には、こうしたものを買うだけのお金がない、ということだった」(Bajarin)
Dellなどの各メーカーがこの市場に参入することで、この問題は解決に向かうかもしれない。Media Centerパソコンは通常、標準モデルよりも価格が高いが、こうした企業の経験と競争により、Media Centerマシンの価格が下がる可能性があるのだ。すでにMedia Centerモデルの価格帯の下限は、1000ドル未満に下がっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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