米PalmSourceは、通常のノートPC市場への参入を検討しており、このためにフルサイズのキーボードと大きなディスプレイを持つPalm OSベースの端末を開発するパートナーを募集するという。
このアイデアは未だ憶測の域を出るものではないが、PalmSourceの最高経営責任者(CEO)、David Nagelは23日(現地時間)、ドイツのミュンヘンで開かれたPalmSource Developers Conferenceの席上で、同社が従来のPDA市場を超えて、さらに大きな分野を見据えていることを示唆した。Palm OSをコントロールするPalmSourceは、これまであまり革新的でないとの批判を受けてきていた。
同カンファレンスにおいて、NagelはZDNet UKに対し、ノートPCの時代は終わったと述べた。「いまはポストPCの時代だ。PCは複雑になり過ぎているが、原因の一部は元々の設計に由来している」(Nagel)。PalmSourceでは、従来のノートPCに対抗するために、Palm OSベースの端末を開発するハードウェアメーカーをパートナーに迎えることを検討中だと、同氏は語った。
Palm OSは、すでに無線端末やHandspring Treoのようなスマートフォン、ソニーなどの企業が販売するコンシューマ向けマルチメディア端末、そしてエグゼクティブ向けのハイエンドPDAなどで使われている。
Palm OSは、比較的サイズが小さくメモリ内に収まるため、時間のかかる起動プロセスが不要だ。「PDAを持っていてメモを取りたいと思ったら、電源をオンにしてすぐに使用できる。起動するまでに2、3分も待たされることはない」とNagelは説明する。この種の機能性を、ノートPCの形態面の長所と組み合わせれば、モバイルコンピューティングの潜在力を発揮する「本物のノートPC」が実現できると、同氏は主張する。
「Palm OSには、こういった種類の機器を充分サポートできる柔軟性を備えていると、我々は考えている。社内の人間の多くが、真のノートPCを作りたいというライセンス契約者が現れることを期待している」(Nagel)
ノートPCとPDAの長所同士を組み合わせるというアイデアは、以前にもPsion Series 7やHP Jornadaなどで試みられてきたものだ。しかし、市場で重要なポジションを占めたことは、一度としてない。なお、Series 7はPsionのEpocというOSを使っていたが、これは現在はスマートフォンなどで使用されているSymbian OSへと進化している。一方のHP JornadaはWindows CEを使っていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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