米Intelと、ソニーをはじめとする複数の日本の電子機器メーカーが米国時間16日、コンシューマーがインターネットからダウンロードした映画や音楽を、自宅にあるすべてのデバイス間で自由に移動できるようにする標準を提案する予定だ。
このDTCP(Digital Transmission Content Protection over IP)仕様は、デジタルコンテンツを利用する方法や場所への制限に対して尻込みするコンシューマーの利益と、著作権侵害を恐れる著作権所有者とのバランスを取ることを狙ったもの。
家庭内のネットワークに組み込まれるDTCPの仕様によって、コンシューマーはダウンロードした音楽や映画を、家庭にあるどのPCやデジタルデバイスでも再生できるようになる。しかし、ダウンロードした素材を自宅以外に転送することや、それを複製することはできない。
「これは家庭にある(ソフトとハード間の)リンクを守るためのもので、両方の当事者を安心させるための試みだ」とIntelのデスクトッププラットフォームグループで共同ゼネラルマネジャーを務めるLouis Burnsは語った。同氏は、16日にカリフォルニア州サンノゼで開催されるIntel Developer Forumのスピーチでこの提案の詳細を明らかにする。
インターネットからダウンロードされたコンテンツは、今はまだ主にPC上で再生されることが多いが、その情況にも変化が見えつつある。多数のメーカーが従来のテレビやステレオとPCをリンクする、デジタルメディアアダプタという小型デバイスの販売を開始しており、コンシューマー向け電子機器メーカー各社も自社製品のデジタル対応を進めている。
「そう遠くない将来に、テレビやDVDプレーヤには、ネットワーク接続のためのアクセスポイントが用意されるようになるだろう」(Burns)
それと同時に、PC側もTVに近づいていく。Intelは今回のカンファレンスで、MicrosoftのWindows Media Center OSを搭載して近日登場するオールインワン液晶TV-PCを公開する。
「我々は(Gateway製PCをベースに)レファレンス設計をつくった」とBurns。これはIntelが基準となる設計を取りまとめたことを意味している。また同社では、自社製チップを用いたセットトップボックスも公開する予定だ。
Intelをはじめとする各社は、今回ほぼ完全版の仕様をリリースするが、これは標準化団体に提案されることになる最終仕様の完成が比較的近いことを示している。
同仕様の開発には、Intelやソニーのほか、日立、東芝、および松下電器の各社が参加している。
なお、Intel Developer Forumは米国時間の16日から18日まで開催される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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