フラッシュメモリメーカーのM-Systemsは25日(米国時間)、将来発売されるXbox用にストレージ製品を提供する契約を結んだと発表した。これにより、MicrosoftはXboxにハードディスクを付けないのではないかとの推測が一段と高まっている。
M-Systemsは声明のなかで、「今後登場するXboxの製品およびサービス用にカスタマイズしたメモリユニット」を開発する契約をMicrosoftと結んだと発表。同社は、パソコンのUSBポートに接続できるフラッシュメモリ製品、DiskOnKeyで有名な企業だ。
M-Systemsの最高財務責任者(CFO)Ronit Maorは、同社は契約の詳細を明らかにできないと述べたが、現在開発中のデバイスは、Microsoftが現在ゲームやユーザーのデータの保存用として販売している8MバイトのXboxメモリユニットよりもはるかに大容量になることを認めた。「我々がXbox用に提供するのは、現在存在しないものだ」(Maor)
MicrosoftはM-Systemsの発表の少し前に、同社のオンラインゲームサービスXbox Liveで限定的なオンラインストレージ機能を提供するとの計画を発表している。この2つの発表を受けて、Microsoftが採算の取れないXboxコンソールの生産コスト削減のため、Xboxの次期バージョンにハードディスクを付けないのではないかと推測する声が一段と高まっている。
これまでのXboxのハードディスクは、ゲーム機自体の機能改善のためではなく、主にプレイ途中のゲームの状態をセーブするなどの補助機能に使用されている、とリサーチ会社iSuppliのシニアアナリストJay Srivatsaは指摘している。ゲーム機本体からハードディスクを外せば、比較的簡単に1台あたりの生産コストを10〜20ドル削減できることになる。
「彼らがそうしようとする理由は理解できる。現行のXboxではハードディスクはほとんど利用されていない。いずれ、MicrosoftはXboxを黒字事業にしなければならない。彼らは何を取り除けるかを見極める必要がある」(Srivatsa)
Microsoftは、XboxをWindows XP Media Center OSが動作するパソコンに接続する「拡張キット」を今年末にリリースする予定で、このキットにより現行のXboxにもストレージオプションがつく、とAmerican Technology ResearchのアナリストP.J. McNealyは指摘している。この接続キットとオンライン機能の拡大により、ハードディスクの必要性はなくなるだろうとMcNealyは述べている。
「ネットワークが充分強力で処理の一部を扱えるようになり、そして充分な速さの回線を利用していれば、ハードディスクの機能の一部をネットワーク側に戻せるようになる」(McNealy)
The Envisioneering Groupという調査会社の社長Richard Dohertyは、XboxのDVDドライブに録画機能を追加するほうが、ハードディスクを搭載するよりも低価格でストレージ機能を提供でき、しかもハッカーによるいたずらも防げるようになると述べている。「ハッキングされたXboxでは、ハードディスクが負の要素になっていた」(Doherty)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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