ゲーム機か、次世代DVDプレーヤーか--PS3の「微妙な」お値段 - (page 2)

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年05月10日 14時12分

 また、Blu-ray対HD DVDの争いに決着が付くまで消費者は購入を控える、とする意見も多い。実際、消費者はネットの掲示板や記事へのコメントで懸念を表明している。

 Brian GrantというCNET News.comの読者は、1月に出た記事へのコメントのなかに、「これらの大企業に統一フォーマットをつくらせたいなら、彼らの製品を買わなければいい。私はフォーマットが1つになるまでプレーヤーを購入しない」と書いている。

 したがって、ソニーにとっては、低価格な次世代DVDプレーヤーを提供することから得られる潜在的なアドバンテージも弱められてしまう可能性がある。

 一方、HD DVDを支持するMicrosoftでは、Xbox 360用の外付けHD DVDドライブをリリースすることになっている。この外付けドライブが発売になれば、PS3とXbox 360との差がさらに縮まることになる。

 さらに、HD DVDプレーヤーの機能をオプションとして提供するMicrosoftには、Xbox 360を複合機として販売する必要がない。

ゲームファンへの売り込み

 しかし、ソニーにとってはゲーム市場のやや特異な環境が追い風となるかもしれない。当初のターゲットとなる筋金入りのゲームマニアは価格を全く気にしないと、iSuppliのアナリストChris Crotty氏は述べている。

 「PS3の価格が高するとは思わない。Xbox 360の登場時にどれだけの値段が付いたかを思い出してみればいい。eBayでは1000ドル以上の値段が付いていた」(Crotty氏)

 Microsoftもソニーも、それぞれのゲーム機を製造コストを下回る価格で販売しなくてはならない。Crotty氏の推定によると、Micrososftは昨年399ドルで販売するXbox 360のコストとして、部品代だけで525ドルも支払っていたという。一方、PS3では1台あたり約300ドルから400ドルの赤字になると見られている。ただし、数年後には部品価格の低下からコスト負担の必要はなくなり、両社ともにマシンの販売から利益を得られるようになるはずだと、アナリストらは予測している。

 そのほかにも両者の行方を左右する要因がある。その1つは、ゲームソフトの開発者をどれだけ巻き込めるかどうかで、両社ともにそれぞれのゲーム機に対応するソフトを出させなくてはならない。この点に関して、ソニーは日本で優位に立つだろう。Microsoftは日本での売り込みに苦戦を強いられてきているからだ。一方、北米や欧州の市場では、Xboxがすでに好調な売れ行きを見せている。

 それでも、早期購入者となるゲームファンにとって一番重要なゲーム自体の面白さに関する限り、PS3とXbox 360との間には根本的な違いはないようだと、アナリストらは述べている。

 「2つのゲーム機の間には、劇的に異なる点は何もない」(GartnerのBaker氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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