サイエンスと聞いて苦手意識を持つ人こそ読んで欲しい1冊。やさしくかみ砕いた説明で、難しいことも分かりやすくしてくれる技術に長けた池上彰氏が、サイエンス分野の用語や事象を平易な文体で解説している。「ニュースで聞いたことはあるが、それがどういうことなのか深く考えたことはなかった」というような重要な事柄ばかりが集められており、読後には断片的な知識がつながっていく快感が得られるだろう。
「まずは疑うことから始める」ということで、仮説の立て方と、検証の重要性から始まるが、誰でも知っている、「ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見した」という話でさえ疑って、出所を確かめている。そういうことの積み重ねこそ大切であるというのだ。つまり、本書で池上氏が述べていることも、鵜呑みにするのではなく、疑って自分で検証する姿勢が重要だ。
本書は、ニュートリノ、iPS細胞、燃料電池、南海トラフ地震など、キーワードだけを見ても興味深いテーマを、「物理」「化学」「生物」「医学」「地学」、そして「環境問題」という5つの分野に分けて解説している。一読しておけば、今後、これらに関わるニュースを目にした時に、明らかに自分のものの見方や考え方が変わるのではないか。
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