NECビッグローブ(BIGLOBE)とフォルシアは10月4日、複数の旅行関連サイトを横断的に検索できる、SaaS型宿泊プラン比較サービス「旅くら」を、企業を対象に提供開始した。導入企業は無料で導入できる。
旅くらでは、「楽天トラベル」「JTB」「るるぶトラベル」「近畿日本ツーリスト」など9つの宿泊予約サイトと連携し、110万件以上の国内宿泊プランを横断的に検索、比較できる。宿泊の日にちや予算、場所などを入力し、検索結果の中から条件にあった宿泊施設を選択すると、各サイトの宿泊プランが一覧で表示される。場所を指定せずに検索すると、6カ月間の空室状況が確認できる。
旅くらでは、検索基盤としてフォルシアの「Spook」を活用している。フォルシアの代表取締役社長である屋代浩子氏は、「旅くらでは、従来の宿泊予約サイトのように何度も条件を入力するといった手間を省き、ユーザーに無駄な検索ステップを踏ませない」と話す。Spookでは、データを20分の1に軽量化する「最適化技術」と、“先回り検索”という独自のロジックを採用した「プロアクティブ技術」を搭載。これにより、大量の検索結果を瞬時に表示できるほか、「露天風呂付客室」「無料送迎あり」「ペット対応可」などユーザーの宿泊プラン選びをサポートできるという。
すでにポータルサイトの「@nifty」「Excite」「So-net」、岡山県観光連盟など14サイトに導入が決定している。企業は導入サイトのヘッダとフッタ、ドメインを提出することで無料で導入できる。エリアや宿泊施設の絞り込み検索などカスタマイズも可能としている。
導入企業は、ユーザーが自社サイト経由で予約したり、宿泊すると手数料収入が得られる。旅行会社からの手数料をBIGLOBEとフォルシアが、各導入サイトに分配する仕組みだ。ある製薬会社では旅くらを自社の出張予約システムとして導入しており、イントラネットを使って出張の手続きに利用しているという。この場合も企業には手数料が還元されるとしている。
両社では今後、国内ツアーや海外宿泊プラン、海外ツアー、レンタカーなど予約商品の拡充を図るほか、外国人観光客向け多言語化サイトにも対応する予定という。2012年度までに旅くらの導入企業数300社、旅くら経由での宿泊予約流通総額1000億円を目指す。
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