多くのユーザーによる期待にもかかわらず、Mozillaは米国時間9月28日、「iPhone」向けにスタンドアロンの「Firefox」ブラウザを開発する予定はないことを公表した。
その代わり、Mozillaは引き続き、同ブラウザと連携するiPhoneアプリ「Firefox Home」にリソースを投入する意向だ。Mozillaはブログ投稿で次のように述べている。
ユーザーはFirefox Homeにブラウザのような機能をより多く追加することを求めてきたが、iPhone向けにフルブラウザのFirefoxを開発することは、不可能ではないにしても、技術的な制約と配布に関する制約により困難となっている。われわれは、Firefox Homeをリッチなクラウドベースのアプリケーションとして開発し、今後もユーザーが引き続き愛用してくれるような価値ある製品になるよう注力している。
実際、Firefox Homeを「BlackBerry」および「Symbian」向けに拡大するというMozillaの発表は、同社がモバイルブラウザから完全に離れつつあることを示唆しているかもしれない。iPhone向けアプリと同様、これらのモバイルプラットフォーム向けFirefox Homeは「Firefox Sync」と連携してユーザーの閲覧履歴を表示したり、ブラウザタブを開いたり、デスクトップコンピュータ上で生成したデータを携帯端末で利用可能にする。具体的なスケジュールは未定だが、Mozillaはブログ投稿の中で、これらのアプリが「今後数カ月」のうちに登場する予定だと述べた。
Mozillaはまた、ユーザーからの要望を踏まえて、Firefox Homeの「iPad」バージョンの開発に向けて検討する予定だと述べている。
Mozillaは長年にわたり専用のFirefoxアプリに取り組んできたが、「Android」搭載端末向け「Fennec」ブラウザはごく初期の段階にとどまり、最初のFirefoxモバイルブラウザはわずか2モデルのNokia製機器にしか対応していなかった。加えて、Mozillaは「Windows Mobile」向けFennecブラウザの開発を中止した。
一方で、Firefox Syncは使いやすいクラウドベースのストレージを提供するほか、スタンドアロン型ブラウザよりも比較的簡単に開発できる。Firefox Syncを初めて実装した一例は、Nokiaの「Maemo」およびNokiaとIntelの「MeeGo」プラットフォーム向けFirefoxのアドオンとして登場した。
同期とストレージサービスを他のモバイルプラットフォーム向けに拡大することに加え、Mozillaはまた、Firefox HomeのiPhone向けバージョンに機能を追加すべく取り組んできた。今後予定されている機能の中には、パスワードの同期、検索エンジンを選択する設定のカスタマイズ、「Facebook」や「Twitter」へのリンクやアップデートをアプリから直接共有する機能などがある。Mozillaはまた、Appleの「iOS 4」に対応するアプリケーション、たとえば「YouTube」「Google Maps」「Safari」などとのシームレスな統合の向上を追求している。なおFirefox Homeは現在、ウェブサイトを閲覧するためのオプションとしてSafariを採用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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