サンフランシスコ発--Microsoftは米国時間9月15日、「Internet Explorer 9」(IE9)のベータ版をローンチした。PCの全能力を駆使して、これまでウェブサイトに課されていた制約を取り除くことを見込んでいる。
コーポレートバイスプレジデントを務めるDean Hachamovitch氏は当地で開催されたイベントで、「ウェブといえば、サイトである」と述べた。「そしてブラウザである。現在、ウェブサイトは封じ込まれてしまっている」(Hachamovitch氏)
新しいブラウザは、最小限のユーザーインターフェース、ハードウェアアクセラレーション、そして、HTML 5やCSSといったより広範囲のウェブ標準のサポートを特長とする。
MicrosoftはIE9の提供により、Mozillaの「Firefox」やGoogleの「Chrome」などのブラウザに対する競争力の強化を目指している。今でもウェブサイト訪問の3件に1件には、いずれかのバージョンのInternet Explorerが使用されているが、競合企業らの方が技術的に先行しているため、Microsoftは何年もの間シェアを失い続けてきた。
MicrosoftはIE9によって、その状況の打破を図るとともに、「Windows 7」の機能をさらに同ブラウザで利用するつもりである。新しいブラウザでは、ユーザーがウェブサイトを、Windows 7のタスクバーに固定することができる(アプリケーションに対してはすでにこれが可能である)。このようにして固定されたウェブサイトは、サイト内のさまざまな部分の間をすばやく移動するための「ジャンプリスト」をプログラムすることができる。
その他には、どのアドオンによってブラウザの起動が遅くなっているかを監視する機能や、ユーザーが取得しようとするコードの評価が低かったり、悪質である可能性がある場合に警告を発するダウンロードマネージャなどがある。
15日のローンチイベントの大部分は、新しいブラウザ向けに最適化されたサイトを構築済みのさまざまなパートナーの紹介に費やされた。最初に壇上で紹介されたのは、Microsoft自身の検索エンジン「Bing」で、そのジャンプリストと新しいHTML 5ベースのホームページが披露された。Microsoftは1カ月以内に、IE9のHTML5機能の一部を利用した、美しいBingサイトをプレビュー版として提供する予定であると述べた。
IE9ベータ版は15日から提供が開始され、「Windows Vista」またはWindows 7で動作する。
Hachamovitch氏は、イベント登壇時には大抵の場合、新しいInternet Explorerをテーマにした黒いシャツを着て現れる。15日のローンチイベントでは、同氏のシャツには「Beauty」と書かれており、「B」の部分がギリシャ文字の「ベータ」になっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」