ウォンテッドリーは11月11日、スマートフォンで複数枚の名刺を撮影して、即データ化する名刺管理アプリ「Wantedly People」を無料で公開した。これにあわせて、これまでリリースしてきた各サービスの名称、ロゴおよびアイコンを一新した。
Wantedly Peopleでは、一度に最大10枚の名刺を読み込み、リアルタイムにデータ化して連絡帳に登録できる。また、相手がビジネスSNS「Wantedly」に登録していれば、瞬時にユーザー情報と紐づけられる。FacebookやiPhoneの連絡先と外部連携するほか、2016年内にGmailやOutlookとも連携する予定だという。
実際に筆者も同アプリを体験したが、名刺の読み込み速度はかなり速く、認識精度も高いと感じた。独自の形状やデザインの名刺については、当初は正確に認識できないこともあるが、人工知能を搭載したOCR機能によって、使えば使うほど認識精度が上がり、正しく読み込めるようになるという。
LINEやSMS、メールなどで読み取った名刺のデータを会社の同僚や上司と共有できるため、名刺の貸し借りをアプリ内で完結できる。共有したリンクは時間が経つと使えなくなるため、情報が外に出回るリスクも防げるとしている。なお、すべての名刺情報は、TLS プロトコル v1.2(SSL)を用いて暗号化し、送信されたデータはデータセンタで厳重に保管されるとのこと。
ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子氏によれば、Wantedly Peopleは同社全体のリソースを割いた「社運をかけたプロジェクトだった」という。そのため、社内でこのプロジェクトは、新世紀エヴァンゲリオンに出てくる“ヤシマ作戦”と呼ばれていたそうだ。「日本だけで残っている名刺交換の文化を早くテクノロジに置き換えたい」(仲氏)。
同社では、Wantedly Peopleの公開にあわせて、これまでリリースしてきた各サービスの名称、ロゴおよびアイコンを一新した。会社訪問できるビジネスSNS「Wantedly」が「Wantedly Visit」に、ビジネスチャット「Sync」が「Wantedly Chat」に刷新された。
「それぞれのブランド名が違うことで、Wantedlyの世界観が伝わりにくくなっていた」と仲氏はリブランディングの理由を語る。
同氏はWantedlyを、名刺での人脈管理だけでなく、プロフィールと人のつながりを中心とした、ビジネスパーソンの“シゴト交流サイト”へと発展させたいと考えており、今回の刷新を機に、よりサービス連携を強めていくという。たとえば、名刺管理のWantedly Peopleで連絡したい相手を選ぶと、ビジネスチャットのWantedly Chatにシームレスに切り替わるといったイメージだ。
仲氏は、企業の平均寿命が短くなり、終身雇用制が機能しなくなりつつある現代において、転職によって複数の企業で働くことは当たり前であり、働き手自身も社会で生き抜くために「スキル」「評判」「つながり」といった要素が不可欠になると語る。今後はWantedlyによって、そうした資産や人脈を“ポータブル”に持ち歩けるインフラを構築していきたいとした。
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