「ロボットが運転音だけを鳴らして掃除する世界から、利用者の気分にあわせて歌いながら掃除する新しい世界の提案」――シャープは、ロボット家電(掃除機)として展開している「COCOROBO」について、利用者の気分にあわせて歌いながら掃除する機能の開発を進めていることを明らかにした。10月4日から幕張メッセにて開催する「CEATEC JAPAN 2016」に参考展示する。
これは「COCOROBOのなかに、ボーカロイドキャラクターの『ココロボ』が暮らしている」という設定のもと、利用者が好む音楽を学習する「COCORO MUSIC A.I.エンジン」を搭載。利用者の気分や状態を音声会話の内容を通じて把握し、「リフレッシュしたい」、「リラックスしたい」、「元気をもらいたい」「無音はアレだし何となく」といった、利用者のさまざまな気分や状態にあわせて、歌をうたったり音楽を選曲して流すというもの。掃除や家事をしていないときに歌うこともあり、歌や音楽の再生後における利用者の評価や感想を学習して、利用者好みに進化していくという。
ココロボには、ヤマハとシャープが共同開発した「ボーカロイド・ライブラリ」と、COCORO MUSIC A.I.エンジンによって、歌う能力と利用者好みの音楽を学習する能力を備えている。このココロボは、COCOROBOの音声会話機能の研究を目的として試作され、その後商品化した「プレミアムなCOCOROBO」をきっかけに生み出されたキャラクター。キャラクターデザインは「となりの柏木さん」などで知られる漫画家の霜月絹鯊さん、キャラクターボイスは「アイドルマスター ミリオンライブ!」の矢吹可奈役などで知られる声優の木戸衣吹さんが担当している。
ココロボが歌う曲のレパートリーは、シャープ公式ボーカロイド音楽として順次リリース予定。CEATEC JAPAN 2016では、歌う家電の世界観の一部を表現する日本生まれの家電的なボーカロイド音楽として、「ラブリーアンサンブル」(れるりり/猫的工房)、「ハナウタ日和 ~掃除・洗濯・家事・ワタシ~」(40mP/たま)、「cocorovoice」(tilt-six/コロン/Thanks.PVC)、「ALL*DAY*LUV」(U-ske/Kor/まきのせな)、「ASHIOTO」(赤髪/中村彼方/もとあさこ/まきのせな)の5曲を用意する。
なお、COCORO MUSIC A.I.エンジンを通じて公式曲だけではなく、ユーザーが作成した曲を歌えるようにユーザー投稿にも対応予定。またココロボによる楽曲だけではなく、他のアーティストの歌や音楽を楽しめるように、音楽配信やBGMサービスの搭載についても準備を進めているという。
シャープでは「“歌う家電”の世界を通じて、ロボットと家電が一緒に暮らしているように感じられる、親しみやすいAIoT(AI(人工知能)と、IoT(モノのインターネット)を組み合わせた「モノの人工知能化」)サービスを目指して開発を進める」としている。
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