Cerevoは6月30日、ミニ四駆をスマートフォンで操縦できるようにする改造キット「MKZ4」を発表した。同日より注文受付を開始し、7月中旬より発送する。同社直販ストアのほか、秋月電子でも取り扱うとしている。
Cerevo代表取締役社長の岩佐琢磨氏は、政府による義務化など、話題に上がることが多くなったプログラミング教育について、「既存のプログラミング教材は、画面内でしか変化しないため面白くないものばかり」と説明。実際の物を動かすことで小中学生の興味を引くことができ、ものづくりとプログラミング両方の魅力を伝えることができるとしている。
また、「Arduino」や「Rasbperry Pi」といったプログラミング教育向けのハードウェアも存在するが、「何に使えば良いか分からない」場合が多いという。岩佐氏は「バイクに載りたいから免許を取るといった、目的が明確であれば学習は簡単になる。IoTにもこの要素を取り入れたかった」と、MKZ4開発の背景を語った。
MKZ4は、秋葉原の「DMM.make AKIBA」で開催していたワークショップ「スマホで自由自在に操作できるIoTミニ四駆を作ろう!」から生まれたもの。スマートフォンやタブレットのブラウザから、前進・後進のほか、左右にステアリングを切ることができる。タッチ操作のほか、スマートフォン内のジャイロセンサが検出した傾きなど、直感的に操作することができる。
過去3回のワークショップが非常に好評で、全国から問い合わせが殺到したことからキット化に至ったという。製品化にあたり、プログラムやステアリングパーツの品質向上(ワークショップでは3Dプリンタで作成していたものを使用していた)、組み立てマニュアルなどを作成。プログラミングと電子工作の要素を取り入れた教材キットとして仕上げた。
キットには、「Cerevo Maker series」で販売しているWi-Fiモジュール「ESP-WROOM-02」を採用。ミニ四駆操作用の専用基板、ステアリングパーツ、ステアリング駆動用モータ、抵抗、コンデンサなどがセットになっている。価格は税別で5980円。また、MKZ4のWi-Fiモジュールにプログラムを組み込むためのインターフェース「MKZ4WK」(税別1980円)が別途必要となる。
対応するミニ四駆は「ワイルドミニ四駆」と呼ばれるオフロードタイプのもの。「ランチボックス Jr.」「トヨタ ハイラックス サーフ」「ワイルドザウルス」「ニッサン テラノ '93 パリダカ仕様(チーム NOK JATCO)」「ニッサン キングキャブ Jr.」「ブルヘッド Jr.」「ダッシュ CBW コマンドザウルス」「トヨタ ハイラックス モンスターレーサー Jr.」「マンモスダンプ」が対応する。
ワイルドミニ四駆を採用した理由は、車高が高く小さな段差であれば乗り越えられること、筐体が大きく改造しやすいことのほか、入手性、知名度から選定したとしている。一方で、レーサータイプは部品が細かくなり改造へのハードルが高いこと、高速のため操縦しづらいなどの点から、選択肢から外したとしている。
また、電子工作の経験がない人向けにツールセットも用意。はんだゴテ、コテ台、はんだ、ハンダ吸い取り器、テスター、ステアリングを組み立てるのに必要な精密ニッパ、ドライバ、ピンバイス、ドリル、ピンセット、マスキングテープをセットに、税別9980円で提供する。各ツールはCerevoエンジニアが入念に選定している。
今回、MKZ4の発売を記念して「スペシャルパック」を用意した。ワイルドミニ四駆、MKZ4、MKZ4WKをセットにし、Cerevo直販サイトで税別8888円で販売する。車種は、ニッサン テラノ '93 パリダカ仕様(チーム NOK JATCO)、トヨタ ハイラックス モンスターレーサー Jr.、ランチボックス Jr.の3種類で、それぞれ30台限定。また、教育機関向け「アカデミアパック」として、MKZ4を20セット、MKZ4WKを1セットにして税別9万2574円で販売する。
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